中小企業診断士のQ&A
インタレストカバレッジレシオの算定にあたり事業利益=営業利益…
スタディング受講者
質問日:2022年10月04日
インタレストカバレッジレシオの算定にあたり事業利益=営業利益+受取利息・配当金としているので、H27-11改題にある営業外収益である受取家賃と受取利息のうち、受取家賃は事業利益に含まれないとなっています。
インタレストカバレッジレシオは、負債比率や固定比率のように貸借対照表で測る安全性の限界をより実務的な観点から「利益(損益計算書)」から安全性測ることが趣旨と考えると「受取家賃」を事業利益から除外することが妥当であることをどう理解すればよろしいでしょうか?
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回答
インタレスト・カバレッジ・レシオに関する質問ですね。
以下のようにお答えします。
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言葉の定義
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質問にお答えするに前に、言葉の定義を復習します。
▼インタレスト・カバレッジ・レシオ
インタレスト・カバレッジ・レシオとは、企業の借入金等の利息の支払能力を測るための指標です。営業利益と受取利息・配当金といった年間の事業利益が、支払利息・割引料といった金融費用の何倍であるかを示す。
インタレスト・カバレッジ・レシオの単位は、「倍」となる。インタレスト・カバレッジ・レシオの倍率が「1」の場合、受取利息・配当金がないとすると、営業利益と支払利息・割引料が等しいことになる。この場合、借入金を増額しても、営業利益では借入金の支払利息を払うことができないことになる。そのため、企業の追加の借入の余裕はまったくないことになる。
インタレスト・カバレッジ・レシオの倍率が「1」を上回っている場合、受取利息・配当金がないとすると、営業利益が支払利息・割引料を上回っていることになる。この場合、借入金を増額しても、現在の営業利益で借入金の支払利息を払う余裕があるといえる。
インタレスト・カバレッジ・レシオの倍率が「1」を下回っている場合、受取利息・配当金がないとすると、営業利益が支払利息・割引料を下回っていることになる。この場合、借入金を増額するどころではなく、現在の借入金の利息すら支払いできない状況といえる。
▼インタレスト・カバレッジ・レシオの公式
インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息・割引料
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質問に対する回答
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Q.インタレスト・カバレッジ・レシオの算定にあたり事業利益=営業利益+受取利息・配当金としているので、H27-11改題にある営業外収益である受取家賃と受取利息のうち、受取家賃は事業利益に含まれないとなっています。インインタレストカバレッジレシオ負債比率や固定比率のように貸借対照表で測る安全性の限界をより実務的な観点から「利益(損益計算書)」から安全性測ることが趣旨と考えると「受取家賃」を事業利益から除外することが妥当であることをどう理解すればよろしいでしょうか?
A.まず、このインタレスト・カバレッジ・レシオは、安全性の指標ではありますが、そのうち「企業の借入金等の利息の支払能力を測るための指標」といえます。そのため、営業利益と受取利息・配当金といった年間の事業利益が、支払利息・割引料といった金融費用の何倍であるかを示しています。
指摘にあった「受取家賃」は、P/L上で、営業外収益となっているため、この企業では、家賃収入は、本業からの収入(=営業利益)ではないと言えます。これは、この会社が、不動産業などの家賃収入が本業である事業ではないことを示しています。
上記より、このインタレスト・カバレッジ・レシオは、本業の利益である営業利益と、金融の収入である受取利息・配当金の合計が、金融の費用である支払利息・割引料の何倍かを示す指標です。そのため、本業以外と金融収入以外の、家賃収入は対象外となるのです。
なお、もし、この企業が不動産業を営んでおり、家賃収入が本業の収入になった場合は、家賃収入は、営業利益となるので、注意してください。