中小企業診断士のQ&A
直前対策講座の「10.投資のリスクとリターン」の「予想問題」…
直前対策講座の「10.投資のリスクとリターン」の「予想問題」の
選択肢ウは、次のとおりです。
ウ 無リスク資産が存在しない場合、均衡状態においては、すべての投資家が同一のポートフォリオを所有する。
また、これについては、次のように解説されています。
選択肢ウは不適切な記述です。均衡状態においては、すべての投資家はその選好により、リスク資産のポートフォリオの組み合わせを自由に決め保有することができる。
これに対して、以下の過去の質疑を見る限り、
「均衡状態においてもリスクはゼロとはならず、市場ポートフォリオのリスクは存在するため、すべての投資家が、危険資産として市場ポートフォリオを所有することになります。」
との解説があったこともあるようです。
直前対策講座の解説と、過去の質疑での話が、矛盾しているように感じました。
無リスク資産がある場合は、均衡状態であれば、皆が、市場ポートフォリオを持つ。
無リスク資産がない場合は、均衡状態であれば、皆は、それぞれの選考により、別々のポートフォリオを所有する。
ということなのでしょうか。
そうだとすれば、なぜ無リスク資産の有無が、皆が市場ポートフォリオを持つ、持たないの違いを生むのでしょうか。
無リスク資産がなければ、市場ポートフォリオというもの(リターンとリスクが最適になる点)が存在しないため、いかに均衡状態(皆がリターンとリスクを等しく予想できる状態)であっても、唯一の正解(市場ポートフォリオ)を選びようがないから、別々のポートフォリオを組むということでしょうか。
<<<過去の質疑>>>
ふくさんさん
質問日 2022年10月24日 21時30分
均衡状態について述べられています。均衡状態においてもリスクはゼロとはならず、市場ポートフォリオのリスクは存在するため、すべての投資家が、危険資産として市場ポートフォリオを所有することになります。とありますが、均衡状態とは何ですか?また、なぜ全ての投資家が、市場ポートフォリオを所有することになるのですか?
科目(カテゴリ)
音 講師 公式
回答日 2022年10月29日 18時19分
均衡状態に関する質問ですね。以下のようにお答えします。
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言葉の定義
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質問にお答えするに前に、言葉の定義を復習します。
▼市場均衡
完全競争市場では、需要と供給が等しくなるように、価格が決定される。このように需要と供給が一致している状態を「市場均衡」と呼ぶ。
▼均衡状態
市場均衡の状態であること。当該市場にある全ての銘柄の期待リスクとリターンが公表されていることによって、いずれの投資家も、各銘柄の将来の価格について、同一の予想をすることができるというような状態のこと。
▼資本市場線
リスクフリー資産である国債と、任意の株式を自由に組み合わせた場合におけるリターンとリスクの分布を示した場合の直線のうち、最大限に上に位置するもの
▼効率的フロンティア
特定のリスクの大きさに対して、最高のリターンをあげることが期待されるポートフォリオ、または、期待される利益の一定の大きさに対して最もリスクの低いポートフォリオ。
▼市場ポートフォリオ
資本市場線と効率的フロンティアの接点。リターンとリスクが最適になる点。
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質問に対する回答
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Q1.均衡状態とは何ですか?
A1.
均衡状態とは、上記の言葉の定義のように、「いずれの投資家も、各銘柄の将来の価格について、同一の予想をすることができるというような状態」のことを指します。
Q2,なぜ全ての投資家が、市場ポートフォリオを所有することになるのですか?
A2.上記のように、全ての投資家は同一の予想をすることができるため、その投資家の思考は、リターンとリスクが最適になる点として、市場ポートフォリオを所有することになります。
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