平成22年1次試験 - 財務・会計

第1問
 主要簿と補助簿からなる帳簿組織における記録に関する記述として、最も適切な
ものの組み合わせを下記の解答群から選べ。



a 特殊仕訳帳を導入した場合、取引の内容に応じて、一定期間に発生した取引の
 合計額を一括してまたは取引ごとに個別に総勘定元帳への転記が行われる。
b 特殊仕訳帳を導入した場合、1つの取引が普通仕訳帳と特殊仕訳帳の両方に記
 録される。
c 普通仕訳帳のみを仕訳帳として用いる場合、取引の合計額を一括して総勘定元
 帳への転記が行われる。
d 普通仕訳帳のみを仕訳帳として用いる場合、取引は普通仕訳帳から総勘定元帳
 に転記される。



[解答群]
 ア aとb
 イ aとc
 ウ aとd
 エ bとc
 オ cとd





第2問
  次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。



 収益の認識は、一般に、商品等の販売または役務の給付によって①実現したこと
もって行われるとされている。しかし、長期の未完成請負工事等については、工事
( A )基準とともに、工事( B )基準が認められてきた。
 工事契約に係る収益(工事収益)およびその原価(工事原価)に関して定めた②企業会
計基準第15号「工事契約に係る会計基準」では、工事の進行途上においても、その
進捗部分について( C )の確実性が認められる場合には、工事( B )基準
を適用し、この要件を満たさない場合には工事( A )基準を適用するとされ
る。



(設問1)
 文中の空欄A~Cに入る最も適切なものの組み合わせはどれか。



 ア A:完 成  B:進 行  C:進 捗
 イ A:完 成  B:進 行  C:成 果
 ウ A:完 成  B:進 捗  C:進 行
 エ A:進 行  B:完 成  C:進 捗
 オ A:進 捗  B:完 成  C:成 果





(設問2)
 文中の下線部①の実現したことに相当する事項として、最も適切なものはどれ
か。



 ア 委託販売における積送品に対する荷付為替手形の取り組み
 イ 市場性が高い鉱産物の採掘
 ウ 試用販売における得意先による買い取りの意思表示
 エ 予約販売における予約金の受け取り





(設問3)
 文中の下線部②の企業会計基準第15号の適用範囲に関する記述として、最も
適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。



a 工事契約とは、土木、建築、造船や一定の機械装置の製造等、仕事の完成に
 対して対価が支払われる請負契約をいう。
b 工事契約とは、仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約のうち、土
 木、建築、造船や一定の機械装置の製造等、基本的な仕様や作業内容を顧客の
 指図に基づいて行うものをいう。
c 工事契約に関して、施工者における工事原価および工事収益の会計処理に適
 用される。
d 工事契約に関して、施工者における工事収益の会計処理ならびに開示に適用
 される。
e 受注制作のソフトウェアについても、工事契約に準じて適用する。



[解答群]
 ア aとc  イ aとd  ウ bとc  エ bとe  オ dとe





第3問
 当年度における次の勘定記入の空欄A~Cに入る最も適切なものの組み合わせを
下記の解答群から選べ。





[解答群]
 ア A:前期繰越   B:残 高   C:次期繰越
 イ A:前期繰越   B:未収利息  C:次期繰越
 ウ A:前受利息   B:残 高   C:未収利息
 エ A:前受利息   B:損 益   C:前受利息
 オ A:未収利息   B:損 益   C:未収利息





第4問
 次の商品有高帳(単位:円)に基づき、A品の先入先出法による月間の売上原価と
次月繰越高として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。





[解答群]
 ア 売上原価:63,600円   次月繰越高:19,200円
 イ 売上原価:63,600円   次月繰越高:22,400円
 ウ 売上原価:66,800円   次月繰越高:16,000円
 エ 売上原価:66,800円   次月繰越高:19,200円
 オ 売上原価:70,000円   次月繰越高:16,000円





第5問
 次の文章の空欄A~Cに入る最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選
べ。



 株式会社の設立または株式の発行に際し、株主となる者が当該株式会社に払込み
または給付をした財産の( A )を資本金とするのが原則である。しかし、払込
額または給付額の( B )を資本金としないで、資本準備金として計上すること
ができる。また、公開会社では、設立に際し発行可能株式総数の( C )の株式
を発行しなければならない。



[解答群]
 ア A:2分の1    B:4分の1    C:2分の1以上
 イ A:2分の1以上  B:4分の1まで  C:4分の1以上
 ウ A:全 額     B:2分の1まで  C:4分の1以上
 エ A:全 額     B:2分の1まで  C:2分の1
 オ A:全 額     B:2分の1    C:2分の1以上





第6問
 当期の資産と損益に関する次の資料(単位:千円)に基づいて、キャッシュ・フ
ロー計算書の空欄Aに入る数値として最も適切なものを下記の解答群から選べ(単
位:千円)。




[解答群]
 ア 840    イ 960    ウ 1,010    エ 1,200





第7問
 次の文章の空欄に入る最も適切なものを下記の解答群から選べ。



 原価計算制度において、原価とは、経営における一定の給付にかかわらせて、財
貨または用役(以下「財貨」という。)の消費を把握し、貨幣価値的に表したものであ
る。原価は、(   )に関して消費された経済価値であり、正常な状態における
経営活動を前提として把握された価値の消費である。



[解答群]
 ア 財貨の生産
 イ 財貨の生産、販売
 ウ 財貨の生産、販売および財務活動
 エ 財貨の調達、生産





第8問
 当期の損益計算書は次のとおりである。総資本回転率が1.2回、経営資本回転率
が1.4回であるとき、事業活動に使用している投下資本に対して本業から利益をど
の程度生み出すことができたのかを示す資本利益率の値として、最も適切なものを
下記の解答群から選べ。




[解答群]
 ア 4.8%
 イ 5.6%
 ウ 7.2%
 エ 8.4%





第9問
 当期の売上高と費用の内訳は次のとおりである。他の条件に変化はないものとし
て、販売価格が1,700円に低下した場合の損益分岐点売上高の変化として、最も適
切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。





[解答群]
 ア -100
 イ + 80
 ウ +100
 エ +200





第10問
 製品X(価格600円、単位あたり変動費360円)と製品Y(価格1,000円、単位あ
たり変動費700円)の実行可能な販売数量の組み合わせは下図のとおりである。利
益を最大にする販売数量の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から
選べ。



[解答群]
 ア Xの販売数量:  0  Yの販売数量:3,000
 イ Xの販売数量:1,500  Yの販売数量:3,000
 ウ Xの販売数量:2,250  Yの販売数量:2,250
 エ Xの販売数量:3,000  Yの販売数量:1,250
 オ Xの販売数量:4,000  Yの販売数量: 500





第11問
 変動予算制を採用しているX社の販売費予算と実際販売費等は次のとおりであ
る。実際販売数量に対する販売費予算と実際販売費との差異(予算差異)として、最
も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:円)。




[解答群]
 ア 11,000(不利差異)
 イ 24,000(不利差異)
 ウ 25,000(有利差異)
 エ 35,000(不利差異)





第12問
 A社の損益に関するデータは以下のとおりである。A社の減価償却費は1,000千
円であり、これは全額更新投資にあてられる。また、実効税率は40%であり、運
転資本の増減はない。このとき、A社のフリー・キャッシュ・フローの金額として
最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。




[解答群]
 ア 4,600  イ 6,000  ウ 7,000  エ 7,400





第13問
 ファイナンス・リースの特徴に関する説明として、最も不適切なものはどれか。



 ア 借手が支払うリース料は目的物の経済価値全体ではなく、リース期間終了後の
  目的物の残存価値や不特定多数の事業者に複数回賃貸することなどを考慮して算
  定される。
 イ 借手からみた場合、経済的には目的物の購入資金を融資されるのとほぼ同じ機
  能をもつ。
 ウ 借手がリース契約を解約する場合には、通常、未経過リース料に相当する違約
  金を支払う。
 エ 目的物を使用する借手が当該目的物の導入に際し、一度に多額の資金を必要と
  しないメリットがある。





第14問
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。



 B社は全額株主資本で事業活動を行っており、営業利益の確率分布は下表のとお
りで今後毎期一定である。なお、営業利益は税・利息支払前利益(EBIT)に等しい
ものとする。




(設問1)
 B社の企業価値は、完全市場の仮定のもとで1億円と評価される。
 このとき、B社の事業活動のリスクに対して、市場が要求する株主資本収益率
として最も不適切なものはどれか。



 ア 8%
 イ 10%
 ウ 12%
 エ 20%





(設問2)
 B社と資産内容が全く同じで、同一の事業を営むC社が存在するものとす
る。したがって、C社が生み出す毎期のEBITの確率分布は、B社と全く同一で
ある。ただし、C社とB社では資本構成が異なっており、C社は5,000万円の負
債を利用している。この負債の利子率は4%である。この市場において、法人
税のみが存在しその実効税率が40%であるとすれば、B社の企業価値とC社の
企業価値との差はどのようになるか、最も適切なものを選べ。



 ア C社の企業価値はB社と変わらない。
 イ C社の企業価値はB社より200万円小さい。
 ウ C社の企業価値はB社より2,000万円大きい。
 エ C社の企業価値はB社より5,000万円大きい。





第15問
 ある投資プロジェクトによって1年後にもたらされるキャッシュ・フローは、
50%の確率で3,000万円であるか、50%の確率で1,000万円であるかのどちらか
であるという。今、安全利子率は10%である。意思決定者がリスク中立的である
とき、この意思決定者は、当該投資プロジェクトに現在約何万円まで拠出するか、
最も適切なものを選べ。



 ア  454万円
 イ  909万円
 ウ 1,818万円
 エ 2,727万円





第16問
 資金を2つの証券に分散して投資を行う場合、投資収益率のリスク低減効果が最
大になるのはどれか、最も適切なものを選べ。



 ア 2つの証券の投資収益率が完全に相関している場合
 イ 2つの証券の投資収益率が完全に負相関している場合
 ウ 2つの証券の投資収益率間に全く相関がない場合
 エ 2つの証券の投資収益率間に弱い負相関がある場合





第17問
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。



 D社は現在、新規設備の導入を検討中である。D社では、この投資案件の意思
決定を正味現在価値法に基づいて判定することにしている。そこでD社は、正味
現在価値法において①割引率として用いられるべき資本コストの推計に取り掛かって
いる。
 D社は、今回の投資案件において、投資に必要とされる資金の調達を全額長期
借入によって行うことにしている。この借入金の金利は4%である。
 また、D社は企業目標として平均的に有利子負債と株主資本との割合を1:1
で維持することにしており、現在の株式資本コストについても検討することにし
た。D社では、経験的に自社の株式投資収益率とTOPIXの変化率との間に何らか
の関係性があることを認識していた。そこでD社は、自社の株式投資収益率
(RDt)とTOPIXの変化率(RTt)との間に次式のような関係があるものとして、過
去の観察データに基づいて次式のαとβを実証的に推計することにした。

 ただし、etの期待値はゼロ、分散は一定と仮定される。



(設問1)
 文中の下線部①のように、この場合において投資判定基準として用いられるべ
き資本コストの説明として最も適切なものはどれか。



 ア 過去のROAの平均値を用いる。
 イ 株式資本コストを用いる。
 ウ 企業全体の平均的な負債と株主資本との比率を用いた加重平均資本コストを
  用いる。
 エ 長期借入金利を用いる。





(設問2)
 文中の下線部②のような関係性を仮定して証券収益率の期待値を推計するモデ
ルとして最も適切なものはどれか。



 ア 2項モデル
 イ APT
 ウ CAPM
 エ インデックス・モデル





第18問
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。



 事務機器の販売を行っているF社は、得意先であるアメリカの会社から販売代
金100万ドルを1カ月後に受け取ることになっている。F社は円高傾向を予想して
おり、為替変動リスクをヘッジするためにZ銀行と1ドル98円の予約レートで為
替予約(ドル売り)を結んだ。一方、ゲームソフトの販売を行っているG社も同じ
く販売代金20万ドルをアメリカの会社から1カ月後に受け取ることになってい
る。G社もまた為替変動リスクに備えるため、先物市場においてドルの1カ月物先
物を先物価格100円にて20万ドル分売建てた。なお、両者の商品販売時であるこ
の時点での直物レートは1ドル=102円であった。
 さて、1週間が経過した後、当初の予想に反し、直物レートは1ドル=105円の
円安となった。これを受けてG社は反対売買による差金決済を行った。このとき
の先物価格は1ドル=103円であった。
 その後1カ月が経過し、販売代金受け取り時における直物レートは1ドル=108
円になっていた。



(設問1)
 F社の為替予約による損益と直物による損益とをあわせたネットの損益として
最も適切なものはどれか。



 ア 1,000万円の損失
 イ 400万円の損失
 ウ 600万円の利益
 エ 1,000万円の利益





(設問2)
 G社の通貨先物取引による損益と直物による損益とをあわせたネットの損益と
して最も適切なものはどれか。



 ア 160万円の損失
 イ 60万円の損失
 ウ 60万円の利益
 エ 120万円の利益





第19問
 次の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の
解答群から選べ。



 業績連動型の配当政策をとった場合、毎期の( A )は比較的安定するが1株
当たり配当額の変動が大きくなる。また、( B )はROEと( A )を掛け
合わせたものであり、資本効率と利益還元政策のバランスを見る1つの指標であ
る。



[解答群]
 ア A:株主資本配当率   B:内部成長率
 イ A:配当性向      B:株主資本配当率
 ウ A:配当性向      B:内部成長率
 エ A:配当利回り     B:株主資本配当率
 オ A:配当利回り     B:内部成長率





第20問
 E社では、創業以来のオーナー経営者が引退することとなり事業承継のあり方を
検討していたが、オーナー経営者の後継者として適当な人材がいなかった。そこ
で、M&Aを活用し外部の有能な経営者に事業を承継させたいと考えた。このよう
な場合において、友好的なM&Aを行う上でふさわしいと考えられる手段として、
最も適切なものはどれか。



 ア MBI
 イ MBO
 ウ TOB
 エ ホワイトナイト



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