平成21年1次試験 - 経営情報システム

第1問
 各種業務において、パーソナルコンピュータ(PC)を利用して、データ交換を
行ったり、画像データなどを取り扱ったりする場面が増加している。そのような場
面で利用される外部記憶装置に関する、次の文中の空欄A~Dに入る語句の組み合
わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。



 デジタルカメラなどで撮影した画像データの記録や各種のデータ交換に使用さ
れ、(A)を経由してPCに接続しデータの読み書きを行うことができる半導
体メモリは、(B)と呼ばれる。
 PCに(A)経由で、この(B)を接続する際は、(C)機能によ
りPCの(C)を行わなくとも使用することができる。



[解答群]
 ア A:IDE          B:DRAM
   C:デバイスドライバ   D:デフラグメンテーション
 イ A:PCI          B:フラッシュメモリ
   C:デバイスドライバ   D:リフレッシュ
 ウ A:USB          B:SRAM
   C:プラグアンドプレイ  D:リフレッシュ
 エ A:USB          B:フラッシュメモリ
   C:ホットプラグ     D:再起動




第2問
 業務に使用してきたPCの取り換えを検討している。複数メーカーのPCを、プロ
グラム処理速度に関して比較する場合の記述として、最も適切なものはどれか。



 ア PCに内蔵されているCPUのクロック周波数が2倍になれば、プログラムの処
  理速度もクロック周波数に比例して2倍になる。
 イ 外部記憶装置などを接続するインタフェースとして、パラレルATAが装備さ
  れた機種よりもシリアルATAが装備された機種を選択する方が、プログラム処
  理速度向上の点では望ましい。
 ウ 内蔵ハードディスクの回転速度、データ転送速度、MTBFがプログラム処理
  速度に影響を与える。
 エ マザーボード上に装着するRAMは、CPUの処理能力に合った容量であれば
  よく、それを超えて装着してもプログラムの処理速度は向上しない。




第3問
 各種業務においてPCを利用していると、文書、表計算、画像などのデータが
日々蓄積する。これらのデータの交換を行ったり、バックアップをする目的で、外
部記憶装置が利用される。現在利用できる外部記憶装置用の記録媒体に関する記述
として最も適切なものはどれか。



 ア 3.5インチ光磁気ディスクは最大2.3GB程度の記憶容量であるが、メディア
  自身の耐久性はCDやDVDに比べて高い。また、Media IDと呼ばれる著作権
  保護の仕組みが利用できる媒体もある。
 イ 5インチCDメディアに記録できるデータ量は、3.5インチフロッピーディス
  ク約5,000枚程度である。
 ウ 5インチDVDメディアには片面のみ記録可能であるが、1層の他、2層に書
  き込み可能なものがあり、記録できるデータ量は5インチCDメディアの約100
  枚程度である。
 エ 現在市販されているブルーレイディスクの5インチメディアには、25GB程度
  の容量のものと50GB程度の容量のものがあるが、一方はディスクの片面を、
  他方は両面を利用している。




第4問
 さまざまな業種においてeビジネスとのかかわりが求められている。自社製品の
告知などのためにWebサーバの運用を行うことがeビジネスの第一歩であり、そ
のためには情報発信に利用するHTMLの特徴に注意を払う必要がある。HTMLに
関する記述として最も適切なものはどれか。



 ア HTMLではタグと呼ばれる形式で各種の指示を文書中に埋め込むので、指示
  の開始と終了を記述する必要がある。
 イ HTMLで指定できる文字の色数は256種類である。
 ウ HTMLにはリンク機能があり、アンカーによって示された文字や画像をマウ
  スでクリックして、異なったページを表示させることができる。
 エ HTMLには表やグラフの表示機能がないので、スクリプト言語を併用して表
  示させたり、他のソフトウェアを使用して作成した表やグラフを画像データに変
  換して表示させたりする必要がある。



第5問
 社員表(氏名、年齢、住所、標準給与月額)のデータが配列に格納されている。
このデータの操作に関する記述として、最も不適切なものはどれか。



 ア 社員表のデータは一次元の配列では処理できないので、二次元の配列を利用す
  る。
 イ 社員表の中の1つの項目、例えば年齢を対象に並び替えを行うと、最初に入力
  したデータ順に戻せなくなる場合がある。
 ウ データ検索を二分検索法で行いたい場合は、検索対象の項目をキーとしてあら
  かじめ並び替える必要がある。
 エ 配列において、社員表のデータの他に項目ごとにリスト構造を設け、画面に表
  示させる際にリスト構造を利用して並び順を変えて表示させれば、元のデータの
  順番を変えなくても済む。




第6問
 各種業務においてインターネットの仕組みを活用する場面が増えている。システ
ム開発者ばかりでなく、PCの有効活用やeビジネスへの積極的な取り組みをする立
場からも、インターネットの基礎的な仕組みの理解は重要である。インターネット
の仕組みに関する記述として最も適切なものはどれか。



 ア URLでインターネットのリソースを指定する場合、ホスト名の変わりにIPア
  ドレスを用いることも可能である。
 イ Webサーバ内にHTMLファイルを格納すると、HTMLファイルのリンクに
  関する記述がDNSサーバに登録される。登録後はインターネットに接続された
  他のPCから、いつでも当該HTMLファイルが閲覧できる。
 ウ Webブラウザ上で電子メールの送受信を行うWebメールでは、SNTPプロト
  コルを利用してメールの送受信を行う。
 エ Webブラウザのアドレス欄において、URLで指定した閲覧先のWebサーバ
  内のファイルは、POP3プロトコルによってWebブラウザ側のPCに送信され
  る。




第7問
 近年のシステム開発においてはデータベースが重要になっており、多様な方式の
データベースが現れている。データベースに関する記述として最も適切なものはど
れか。



 ア XMLデータベースには、管理方式としてネイティブ方式とハイブリッド方式
  があるが、両者ともリレーショナルデータベースの機能を持つ。
 イ 外部スキーマとは、データベースのデータを記憶媒体にどのように格納するか
  を記述したものである。
 ウ 第一正規形とは、主キー以外のデータ項目が主キーによってのみ特定できる形
  式をいう。
 エ リレーショナルデータベースを管理するソフトウェアをRDBMSと呼ぶよう
  に、オブジェクト指向データベースを管理するソフトウェアをOODBMSと呼
  ぶ。




第8問
 30坪程度の面積のオフィスに下図に示すようなLANを構築した。このLANの
接続形態などに関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 ただし、PC-AからPC-Dは1Gbps対応のLANカードを有し、LANと接続
している。また、無線LAN内臓のノートPCは、オフィス内で無線LANを利用し
ている。そして、PC-AからPC-D、ノートPCおよびLAN対応ハードディスク
とLAN対応プリンタには、ブロードバンドルータのDHCP機能を利用してローカ
ルIPアドレスが割り当てられている。さらに、LAN内の機器間の通信を理論値の
速度で行うことは、種々の要因で現実的には難しいが、本問では、理論値で通信が
できるものと仮定する。

[解答群]
 ア PC-AからLAN対応プリンタで印刷したい場合、プリンタをスイッチング
  ハブ-Eに接続し直す必要がある。
 イ PC-AとPC-Dとの間でデータ交換の速度が遅い場合、PC-Dをスイッチ
  ングハブ-Eに接続し直せば速度は上がる可能性がある。
 ウ インターネットに接続したいPCにはグローバルIPアドレスを割り当てな
  ければならない。
 エ 無線LAN内臓ノートPCからデータをLAN対応ハードディスクにコピーし
  たい場合、ノートPCをスイッチングハブ-Eに有線接続しなければならな
  い。




第9問
 コンピュータの利用によって、画像、音楽、動画などを利用したプレゼンテー
ション用資料の作成が行われるようになっている。このようなマルチメディアデー
タを扱うために複数のデータ形式が存在する。それらの特色に関する記述として最
も適切なものはどれか。



 ア GIF,PNGは静止画象を扱うデータ形式で、データの圧縮を行って保存する。
  これらのデータ形式は、元のデータが完全に再現できる可逆圧縮方式を採用して
  いるので、圧縮したデータを元に戻したい場合、画像の劣化が起こらない。
 イ JPEG,TIFF,MIDIは静止画像を扱うデータ形式で、ワープロソフト上でこ
  れらのデータを取り込んで表現力の高いプレゼンテーション用資料を作成するこ
  とができる。
 ウ MPEG1,MPEG4,MP3は動画を扱うデータ形式で、Webブラウザによっ
  てダウンロードする際は、ストリーミング方式によりデータをダウンロードしな
  がら視聴することができる。
 エ WAVE,WMA,BMPは音声や音楽などを扱うデータ形式で、データの圧縮
  を行って保存する。インターネット上での音楽配信によく利用される。




第10問
 下表は、いくつかの商品の2009年2月2日から8日までの売上履歴である。表
の1行を1件の販売履歴としたとき、2件以上の販売履歴がある商品について、そ
の商品名、販売件数、販売数量の平均、を求め、それらを販売数量の平均の降順に
表示したい。それを行うためのSQL文を下記に示す。文中の空欄A~Dに入る記
述の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。



売上表



SQL文
 SELECT 商品名,(A),AVG(販売数量)
 FROM 売上表
 GROUP BY 商品名
 HAVING (B)
 (C) AVG(販売数量) (D)



[解答群]
 ア A:COUNT(*)     B:COUNT(*)>2      C:WHERE   D:ASC
 イ A:COUNT(*)     B:COUNT(*)>=2     C:ORDER BY  D:DESC
 ウ A:COUNT(商品名)  B:COUNT(商品名)>1   C:WHERE   D:DESC
 エ A:COUNT(商品名)  B:COUNT(商品名)>=2   C:ORDER BY  D:ASC




第11問
 業務処理に用いるコンピュータシステムでは、負荷分散、信頼性向上、障害対策
などに注意を払う必要がある。コンピュータシステム構成方法に関する、次の文中
の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選
べ。



 信頼性を上げるために2系統のシステムを用意し、処理を並列に行わせて一定時
間ごとに処理結果の照合を行い、機器故障時は故障した装置を切り離して処理を続
行する仕組みを(A)という。
 一方、複数の演算処理装置を設置するものの(B)は共有して利用する方法
で処理効率を向上させる仕組みを(C)という。この仕組みも、一部の演算処
理装置に故障が発生した場合に処理の続行が可能である。
 コンピュータシステム運用の際、故障が発生しても処理を中断することなく機能
を維持しようとするシステム構成方法を(D)という。



[解答群]
 ア A:タンデムシステム      B:レジスタや外部記憶装置
   C:デュプレックスシステム   D:フールプルーフ
 イ A:デュアルシステム      B:主記憶装置や外部記憶装置
   C:マルチプロセッサシステム  D:フェールソフト
 ウ A:デュプレックスシステム   B:主記憶装置やキャッシュ
   C:タンデムシステム      D:フェールセーフ
 エ A:ロードシェアシステム    B:レジスタや制御装置
   C:デュアルシステム      D:フェールセーフ




第12問
 業務においてRFIDの利用を考慮する必要性が増しているが、このRFIDの利
用に関する記述の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。



a ICタグは製造時にあらかじめ書き込んだデータを、使用時に非接触の状態で
 読み取り利用するもので、流通段階で発生する管理情報を追加記録することはで
 きない。
b ICタグが付いた複数の商品がかごに入っている場合も、商品を1つずつ取り
 出すことなく、複数ICタグの情報を一括して認識できる。
c ICタグに納められるデータ量は数メガバイトであるので、付与する商品の区
 別のためにEPCなどの識別コードや製造・流通段階の各種管理情報を納めるこ
 とができる。
d RFIDとバーコードなどの既存の仕組みを共存させることも必要で、その際は
 JANコードとEPCコードというように複数コードの同時管理が必要となる。



[解答群]
 ア aとb
 イ aとd
 ウ bとc
 エ bとd




第13問
 三次元CADによる製品設計、そのデータを利用したデジタルマニュファクチャ
リングが大企業において実用段階に入っていることから、中小企業もそれらに対応
していくことが求められるようになってきた。機械系産業におけるCADのデータ
の取り扱いに関する記述として最も適切なものはどれか。



 ア CADのデータ標準は確立しているので、どのようなCADシステムを使って
  も他のCADシステムとのデータ交換は問題なくできる。
 イ IGES(Initial Graphics Exchange Specification)とは、異なるCADシステム
  間でのデータ伝達の標準を確立すべく、1980年に日本の大企業が中心となり策
  定したCADシステム間の標準インターフェイス仕様である。
 ウ 送り手と受け手が同一のCADシステムを使ってデータ交換を行う方法を、
  ANSIデータの交換という。
 エ 製品データの交換に利用できるSTEP(STandard for the Exchange of
  Product model data)は、「情報表現」と「情報交換」に関する規定で、形状データ
  のみならず構成管理データや運用管理データも交換するためのものである。




第14問
 蓄積した大量のデータをいかに分析するか、部署間で情報共有をいかに行うか、
さらには新たな知識の創造を行う仕組みをどのように構築するかは、現代企業の重
要な課題となりつつある。次の記述の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして最
も適切なものを下記の解答群から選べ。



 業務処理で蓄積された多様なデータのデータベースやインターネットから取り込
んだデータのデータベースなどを、総合的な情報分析に適するように統合したもの
を(A)と呼ぶ。その(A)にある膨大なデータ、例えば、売上履歴にか
かわるデータから消費者の購買行動や顧客の嗜好しこうの変化などを、さまざまな手法を
用いて分析する技術を(B)という。
 一方、企業内での情報共有を進めるに際して、どこにどのような情報があるの
か、誰がどのような情報を持っているのかなどを明らかにすることが課題である。
それらの課題の解決を支援するためのシステムを(C)と呼ぶ。



[解答群]
 ア A:データウェアハウス      B:OLAP
   C:データマート
 イ A:データウェアハウス      B:データマイニング
   C:ナレッジポータル
 ウ A:データマート         B:OLAP
   C:データマイニング
 エ A:ナレッジポータル       B:データマイニング
   C:データウェアハウス




第15問
 情報技術の発展に伴い、計算資源や情報処理サービスのさまざまな提供方法が提
案されるようになってきた。以下の記述と用語の組み合わせとして最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。



a XML形式標準プロトコルでメッセージ送受信を行うインターネット技術を組
 み合わせて、アプリケーションサービスを提供する。
b 仮想化技術を活用して、インターネット経由でユーザが必要とするサービスを
 柔軟に提供する。
c コンピュータのハードウェアやソフトウェアの利用を、買い取りやリースでは
 なく、利用量による従量制で支払う考え方である。
d 多数の小型コンピュータをネットワーク経由で協調処理させる形態で、主な視
 点は処理性能とスケーラビリティにある。



【用語】
 1 SOA(Service Oriented Architecture)
 2 クラウドコンピューティング
 3 グリッドコンピューティング
 4 ユーティリティコンピューティング



[解答群]
 ア a - 1   b - 4   c - 3   d - 2
 イ a - 1   b - 2   c - 4   d - 3
 ウ a - 2   b - 4   c - 1   d - 3
 エ a - 2   b - 3   c - 4   d - 1




第16問
 近年、多様なシステム開発方法論が提案されている。システム開発方法論に関す
る記述として最も適切なものはどれか。



 ア ウォータフォール型システム開発方法論では、要件定義などの基本設計の後
  に、システムの機能や構造を決める内部設計が行われ、次にユーザとのインタ
  フェースの内容などを決める外部設計が行われる。
 イ エクストリームプログラミングとは、変化するビジネス環境に対応してソフト
  ウェアを開発する手法の1つであり、4つの価値と12ないしそれ以上の実践項
  目(プラクティス)の下で迅速なシステム開発を目指すものである。
 ウ スパイラルモデルとは、オブジェクト指向の設計論を用いて、独立性の高い機
  能から開発を始め、開発プロセスを繰り返しながら徐々にシステムの完成度を高
  めていくものである。
 エ プロトタイプを作成して利用するシステム開発方法論では、プロトタイプが問
  題ないことをユーザに確認してもらえば、以降の手続きで構築する本格的なシス
  テムは問題なく稼動する。




第17問
 経済産業省が平成20年1月21日に発表した「SaaS向けSLAガイドライン」の内
容として最も適切なものはどれか。



 ア SaaSはASP(Application Sevice Provider)と同様のマルチテナント型サー
  ビスであるとしている。
 イ SaaSベンダのデータセンタでヘルプデスクを提供するが、クライアント側で
  も基本操作に関する管理者やヘルプ対応要員が必要であるとしている。
 ウ サービスレベル目標保証型のSaaSで、サービスレベル未達成に対して、財務
  上の対応として金銭的な補償を取り決める場合には、将来の請求額から差し引く
  のではなく、上限を設定した払い戻しとすることが一般的であるとしている。
 エ 利用者のパソコンにクライアントプログラムをインストールして、データセン
  タのサーバ上にあるデータを利用したりクライアントプログラムを更新したりす
  る形態のSaaSを中心に解説している。




第18問
 システムテストにおけるソフトウェアテストの設計では、まずテストの対象とな
るシステムを分解・構造化し、次いでテスト実施の観点と実施結果の期待値を設定
する。これ以降の次の3つの作業の順序として最も適切なものを下記の解答群から
選べ。



a テスト項目に優先度と重要度を付け、実施すべきテスト項目を絞り込む。
b テスト項目とテストケースの関連を明確にする。
c テスト項目を確認する手順とテストデータを決定する。



[解答群]
 ア a → b → c      イ a → c → b
 ウ b → a → c      エ b → c → a




第19問
 情報システムの導入に関連して、ITIL(Information Technology Infrastructure
Library)が注目されている。これに関する記述として最も適切なものはどれか。



 ア システム開発段階において、開発基盤となるプログラムライブラリを統一管理
  する仕組みである。
 イ 実在企業のベストプラクティスが紹介されている。
 ウ 情報システムセキュリティに関する基準を体系化したものである。
 エ 組織のIT基盤を構成する標準規格を体系化したものである。




第20問
 インターネットでの暗号通信としてSSL(Secure Socket Layer)が広く利用さ
れている。今日ではさらに、より安全性の高い次世代SSLとしてEV SSL
(Extended Validation SSL)が普及しつつある。これに関する記述として最も適切
なものはどれか。



 ア EV SSLの利用で、中間者(man-in-the-middle)攻撃を回避できる。
 イ EV SSLは証明書に、SSLサーバ証明書では必須でなかったドメイン名を記載
  して、サーバを特定している。
 ウ SSLと異なりEV SSLでは、発行者の住所(事業所所在地の要約)が証明書に
  記載され、証明書から発行者の実在性を高いレベルで確認できる。
 エ SSLはセッション層(レイヤ5)で暗号化するが、EV SSLはIP層(レイヤ
  3)で暗号化するので、より安全である。




第21問
 ある企業ではインターネットを通じて商品販売をしている。そのデータ処理の信
頼性を高めるために、データ同期レプリケーションでゼロデータロスを実現した
い。この実現形態として最も適切なものはどれか。



 ア RAID 0のミラーリングでデータ同期レプリケーションを実現する。
 イ 複数のハードディスクに対して相互に書き込み完了を確認し合う形態によっ
  て、データ書き込みを完全二重化する。
 ウ マスターシステムの更新完了後に、予備システムにデータを転送して更新させ
  る形態のデータ同期レプリケーションにする。
 エ マスターシステムのハードディスクへの書き込みに失敗した場合にも、予備シ
  ステムで処理を継続できるようにする。




第22問
 ある企業では、新規事業のための情報システムを新たに開発することとした。そ
のシステムの開発投資の評価方法に関して関係者が集まり、議論が行われた。その
議論の一端を下記に示す。文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして最も適
切なものを下記の解答群から選べ。



X氏:「今回のシステムの目的は、どちらかというと、業務処理にかかわるコスト
   削減というよりも、売り上げの増大を目指すシステムだよね。資本回収期間
   法などの一般の設備投資に用いられるような方法よりは、システムが持って
   いる機能が何個あるかを(A)として数えて、複数のシステム開発会社
   から出てきた見積もりをその(A)で割って、その値で評価する方法は
   どうだろうね。」
Y氏:「しかし、その方法では、コストは評価できるけれど、システムの導入に
   よって得られる価値は評価できないよね。とにかく皆で複数の評価基準を
   作って、それらの評価基準について、関係者が点数を付けて、その結果を見
   ながら皆で議論する(B)という方法を採用してみてはどうかな。」
Z氏:「経営的な視点で情報システムの有効性を評価する方法として(C)が
   あるよ。つまり、情報システムを財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の
   4つの視点からみるんだ。」



[解答群]
 ア A:TCO             B:ファンクションポイント
   C:バランストスコアカード
 イ A:TCO             B:ファンクションポイント
   C:ポートフォリオ分析
 ウ A:ファンクションポイント   B:TCO
   C:ポートフォリオ分析
 エ A:ファンクションポイント   B:スコアリングモデル
   C:バランストスコアカード




第23問
 ITと環境問題との関連性が、近年、にわかに注目されるようになった。これに
関する記述として最も適切なものはどれか。



 ア グリーンITの取り組みには、ITを利用することで産業構造を変革し、資源エ
  ネルギーを効率よく活用する仕組みを作るアプローチだけでなく、IT機器その
  ものの消費電力を削減するアプローチも含まれる。
 イ グリーンITの取り組みの1つとしてIT機器の3Rがあるが、事業所の使用
  済みPCの回収・再資源化を希望する法人は、パソコン3R推進センターに回収
  を依頼する。
 ウ 経済産業省の広報資料によれば、2025年には2006年に比べて、取扱情報量は
  2,000倍になり、国内IT機器の消費量は12倍になるとされている。
 エ 経済産業省は、環境保護と経済成長を両立させるために「グリーンITイニシ
  アティブ」を提唱し、2008年1月に産官学のパートナーシップによる「グリーン
  グリッド」を設立した。




第24問
 ある地域の不動産価格をその床面積で説明する単回帰モデルを作成して計算した
ところ、次のような結果になった。



この分析結果から明らかになることの説明として最も適切なものはどれか。



 ア F値は2.0程度である。
 イ 使用データ数は36である。
 ウ 定数項の標準化係数は5程度である。
 エ 床面積のt値は4.6程度である。




第25問
 建設業工事受注の県別1企業当たり発注元数を、元請工事と下請工事に分け、A
県とB県で比較するクロス表を作成したところ表1のようになった。この表1に
基づいて、工事契約の種類と県の違いが相互に独立であると仮定した場合の期待度
数を計算すると、表2のようになった。



 これらの計算式とχ2分布表を使って独立性検定を行った。
 以下の記述のうち最も適切なものはどれか。



 ア yとzの値は、理論上同じ値となる。
 イ yの計算は平均値の検定の計算である。
 ウ zの計算は平均値の検定の計算である。
 エ 正規分布を使う比率の差の検定では、独立性検定と異なる結果になる。




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