平成20年1次試験 - 財務・会計

第1問

  次の資料に基づいて、支店独立会計制度における未達事項整理後の支店勘定残高の計算式として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:円)。


未達事項整理前の支店勘定残高  202,000円(借方)


未達事項
(1)本店から支店へ発送した商品98,000円
(2)支店から本店への60,000円の送金
(3)支店の売掛金162,000円の本店による回収
(4)本店の販売費21,000円の支店による立替え払い


〔解答群〕
 ア 202,000 - 162,000 + 60,000   イ 202,000 - 98,000 + 162,000
 ウ 202,000 - 60,000 - 21,000   エ 202,000 + 21,000 + 98,000



第2問

  G社では、先入先出法により商品の払出単価を計算している。ある商品の仕入と売上に関する次の資料に基づいて、この商品の月次売上原価として最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:円)。



〔解答群〕
 ア 65,200    イ 65,680    ウ 66,021    エ 66,400



第3問
  次のa~dのうち、繰延資産に計上することが認められるものとして最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。


a 株式交付費
b 研究開発費
c 社債発行差金
d 創立費


〔解答群〕
 ア aとb
 イ aとd
 ウ bとc
 エ cとd



第4問
  H社は、8月24日に公債(年利率5%)額面総額5,000,000円を100円につき98円で買い入れた。債券価格には経過利息が含まれず、代金は端数利息とともに小切手で支払った。利払日は3月31日と9月30日の年2回である。この公債の取得原価として最も適切なものはどれか(単位:円)。ただし、手数料は考えないこととする。

ア 5,000,000
イ 5,000,000 × 0.98
ウ 5,000,000 × 0.98 + 5,000,000 × 0.98 × 0.05 × 146/365
エ 5,000,000 × 0.98 + 5,000,000 × 0.05 ×146/365



第5問
  次の文章の空欄Aに入るA群の記述と空欄Bに入るB群の用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


将来の特定の費用又は損失で、【A】場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の【B】に記載する。


【A群】
 ① 既に代価の支払が完了しまたは支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される
 ② その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる


【B群】
 a 資産の部
 b 負債の部
 c 負債の部又は資産の部


〔解答群〕
 ア ①とa
 イ ①とb
 ウ ②とa
 エ ②とc



第6問
以下に掲げる当期のキャッシュ・フロー計算書(単位:千円)に基づいて、下記の設問に答えよ。



(設問1)
  空欄AとBに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。


ア A:-600   B:-2,000
イ A:-600   B : 2,000
ウ A: 600   B:-2,000
エ A: 600   B: 2,000


(設問2)
  当期の営業損益に関するデータは次のとおりである。営業収入と原材料又は商品の仕入れによる支出の金額(単位:千円)の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選ぺ。


営業損益に関するデータ

                            (単位:千円)
売    上    高  220,000     売  上  原  価 160,000
販売費及び一般管理費   34,100    営  業  利  益  25,900


〔解答群〕
 ア 営業収入:190,000  原材料又は商品の仕入れによる支出:171,000
 イ 営業収入:190,000  原材料又は商品の仕入れによる支出:183,000
 ウ 営業収入:210,000  原材料又は商品の仕入れによる支出:171,000
 エ 営業収入:210,000  原材料又は商品の仕入れによる支出:183,000




第7問
  I社はJ社の発行済株式総数の70%を8,000千円で一括取得した。株式取得日における個別貸借対照表と連結貸借対照表は次のとおりであった(単位:千円)。連結貸借対照表の空欄AとBに入る数値の計算式の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
  ただし、上記の株式取得日におけるJ社の資産および負債の評価差額はない。


〔解答群〕
 ア A:(7,000+3,000)-8,000       B : (7,000+3,000)×0.3
 イ A:(7,000+3,000)-8,000       B : (12,000+3,000)×0.3
 ウ A:8,000 -(7,000+3, 000)×0.7   B:(7,000+3,000)×0.3
 エ A:8,000 -(7,000+3, 000)×0.7  B:(12,000+3, 000)×0.3




第8問
  繰延税金資産および繰延税金負債に関する次の資料(単位:千円)に基づいて、損益計算書(抜粋)の空欄Aに入る最も適切なものを下記の解答群から選べ。




〔解答群〕

ア △120    イ △40     ウ 40      エ 120




第9問
次の式の空欄A~Cに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の回答群から遍べ。


【A】 = 【B】 + 【C】 + 製造間接費


〔解答群〕
 ア A:加工費    B:直接労務費        C:直接経費
 イ A:製造原価   B:直接材料費        C:直接労務費
 ウ A:総原価    B:販売費及び一般管理費   C:素価
 エ A:素価     B:直接材料費        C:直接労務費



第10問
  労務費に関する次の資料に基づいて、製造原価明細書の空欄AとBに入る数値の計算式の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


賃金:期首未払高3,600千円 当期支払高11,100千円 期末未払高2,500千円


製造原価明細書
                    (単位:千円)
Ⅰ 原材料費             (    )
Ⅱ 労務費               【A】
Ⅲ 経費                (    ) 
    当期総製造費用        【B】
    期首仕掛品たな卸高    8,200
    合計              (    )
    期末仕掛品たな卸高    7,900  
当期製品製造原価         37,100


〔解答群〕
ア A : 11,100 + 2,500 - 3,600   B : 37,100 + 7,900 - 8,200
イ A : 11,100 + 2,500 - 3,600   B : 37,100 + 8,200 - 7,900
ウ A : 11,100 + 3,600 - 2,500   B : 37,100 + 7,900 - 8,200
エ A : 11,100 + 3.600 - 2,500   B : 37,100 + 8,200 - 7,900




第11問
  次の表において記号「↑」は指標の値の上昇を、「↓」は指標の値の低下をそれぞれ表している。各指標が良好になる場合の空欄A~Cに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


〔解答群〕
 ア A:↑ B:↓ C:↑
 イ A:↑ B:↓ C:↓
 ウ A:↓ B:↑ C:↓
 エ A:↓ B:↑ C:↑




第12問
  当期の損益計算書(要旨)は次のとおりである。変動費、固定費の構造は一定とすると、経常利益の目標10,500千円を達成する売上高として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。


損益計算書(要旨)
              (単位:千円)


売上高         100,000
売上原価        60,500
販売費及び一般管理費  26,000
営業利益        13,500
営業外収益       3,200
経常利益        9,800
(以下省略)


(注)1. 営業費用のうち固定費は21,500千円である。
   2. 売上高が変化しても営業外収益、営業外費用は一定である。


〔解答群〕
 ア 102, 000   イ 105, 000    ウ 110,000   エ 113,000




第13問
  株式評価に関する次の記述のうち、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。


a PBRの値が1より小さいと、株価は1株当たり純資産より高く評価されている。
b PBRの値が1より小さいと、株価は1株当たり純資産より低く評価されている。
c PERは、EPSを株価で除して算出される。
d PERは、株価をEPSで除して算出される。


〔解答群〕
 ア aとc     イ aとd     ウ bとc     エ bとd




第14問
  今P円を借り入れ、N年後に元利合計Q円を満期時一括返済するとき、この資本コスト(r)を計算する方式についての次の説明のうち、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。ただし、Nは1より大きい整数で、QはPより大きい。


〔解答群〕

ア aとc     イ aとd     ウ bとc     エ bとd




第15問
  K社は次の条件で、普通社債を発行した。この普通社債の資本コスト(r)を算定するための計算式として最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、税金は考えないものとする。また、式において、-(マイナス)はキャッシュ・アウトフローを意味している。


  ・額面100円につき97円で発行
  ・償還期限3年
  ・クーポンレート4%(1年後より年1回支払)
  ・社債発行費は額面100円につき2円(発行時に現金支払)




第16問
  次の資料に基づいて、加重平均資本コストを求めよ(単位:%)。なお、自己資本のコストはCAPMにより算出する。

負債の税引前コスト 4%    実効税率     40%
安全利子率     2%    期待市場収益率  8%
β値        1.2     自己資本比率(時価に基づく) 40%

ア 3.04      イ 4.8       ウ 5.12      エ 6



第17問
  配当政策に関する説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 配当性向を安定化させる配当政策の場合、1株当たり配当金額は毎期の利益変動によっても変動しない。
b 配当性向を安定化させる配当政策の場合、1株当たり配当金額は毎期の利益変動により変動する。
c 1株当たり配当金額を安定的に支払う配当政策の場合、配当性向は毎期の利益変動によっても変動しない。
d 1株当たり配当金額を安定的に支払う配当政策の場合、配当性向は毎期の利益変動により変動する。

〔解答群〕
 ア aとc     イ aとd     ウ bとc     エ bとd



第18問
  MM理論を説明している記述として、最も適切なものの組み合わせを解答群から選べ。なお、文中の企業価値は負債の価値と自己資本の価値の合計額を意味する。

a 法人税がないと仮定したとき、企業価値は資本構成と無関係である。
b 法人税がないと仮定したとき、企業価値は負債の利用度が高まるほど高まる。
c 法人税が存在する場合、企業価値は資本構成と無関係である。
d 法人税が存在する場合、企業価値は負債の利用度が高まるほど高まる。

〔解答群〕
 ア aとc     イ aとd     ウ bとc     エ bとd




第19問
  L社株式に1年間投資するときの投資利益率とその確率を次のとおり予想した。このとき、分散を計算する式として最も適切なものを下記の解答群から選べ。


〔解答群〕
ア (4-5.7)×0.3+(6-5.7)×0.4+(7-5.7)×0.3
イ (4-5.7)2×0.3+(6-5.7) 2×0.4+(7-5.7) 2×0.3
ウ (4-6)×0.3+(6-6)×0.4+(7-6)×0.3
エ (4-6)2×0.3+(6-6) 2×0.4+(7-6) 2×0.3



第20問
  自己資金で2つの株式にさまざまな比率で投資するとき、当該ポートフォリオの収益率の期待値と標準偏差の関係を表す図形として最も適切なものはどれか。ただし、ここでは-1<相関係数く1とする。



第21問
  次の文章の空欄AとBに入る最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。ただし、手数料、金利等は考えないこととする。


現在1ドル105円の為替相場(直物)である。1か月後に決済日が来る1万ドルの債権を有する企業が、1ドル104円で1万ドルのドル売り為替予約(1か月後の受け渡し)を行うとすると、1か月後の為替相場にかかわらず、円手取金を確定できる。このとき、1か月後の為替相場(直物)が108円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円手取収入は【A】。他方、1か月後の為替相場(直物)が103円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円手取収入は【B】。


ア A:3万円多くなる   B:2万円少なくなる
イ A:3万円少なくなる  B:2万円多くなる
ウ A:4万円多くなる   B:1万円少なくなる
エ A:4万円少なくなる  B:1万円多くなる




第22問
  設備投資のキャッシュ・フローを予測する際の説明として、最も適切なものはどれか。


ア 貸し付けている土地の貸借契約を解除し、そこに工場建設をする場合、この受取地代を反映させる必要はない。
イ 新製品投資によって、既存の製品のキャッシュ・フローが減少する場合、減少するキャッシュ・フローは新製品投資のキャッシュ・フローに反映させる。
ウ 投資の資金調達から生じる支払利息はキャッシュ・フローに反映させる。
エ 未使用の土地に工場建設をする場合、未使用の土地は簿価で評価して投資額に反映させる。



第23問
  投資の経済性計算に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。


a 内部利益率は、投資案の正味現在価値をゼロとする割引率である。
b 内部利益率は、投資案の割引キャッシュ・フローの和をゼロとする割引率である。
c 収益性指数は、投資案の正味現在価値をその投資額で除して求められる。
d 回収期間法は、回収後のキャッシュ・フローを無視している。
e キャッシュ・フローが、当初マイナスでその後プラスになる投資案の場合、その正味現在価値は割引率が大きくなるほど大きくなる。


〔解答群〕
 ア aとbとd  イ aとcとd  ウ bとcとe  エ bとdとe



第24問
  投資額500万円を必要とし、経済命数5年、各年度の減価償却費100万円の投資案の税引後キャッシュ・フローが220万円と予測されている。この投資案の税引後会計的投資利益率を算出するとき、最も適切な税引後利益額はどれか(単位:万円)。ただし、実効税率40%とし、減価償却費以外の費用および収益はすべてキャッシュ・フローとする。


ア 120       イ 132       ウ 280       エ 320



第25問
  初期投資額400万円を必要とする投資案(経済命数2年)の第1年度のキャッシュ・フローの現在価値が200万円となる確率が0.5、300万円となる確率が0.5と予測されている。
  第1年度に200万円のキャッシュ・フローの現在価値が生じた場合に、第2年度のキャッシュ・フローの現在価値が300万円となる確率が0.5、400万円となる確率が0.5と予想されている。
  また、第1年度に300万円のキャッシュ・フローの現在価値が生じた場合に、第2年度のキャッシュ・フローの現在価値が300万円となる確率が0.5、400万円となる確率が0.5と予測されている。
  この投資案についての記述として最も適切なものはどれか。


ア 正味現在価値が100万円となる確率は0.5である。
イ 正味現在価値が300万円となる確率は0.5である。
ウ 正味現在価値の期待値は200万円である。
エ 正味現在価値の期待値は300万円である。



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