「企業経営理論」攻略のポイント

科目の特徴

 企業経営理論では、経営の根幹である、経営戦略論、組織論、マーケティング論の理解が問われます
単純な知識を問う問題は少なく、抽象的な記述の正誤が問われる問題や、逆に、具体例(ショートケース)の正誤が問われる問題が多く出題されます。

 また、1次試験だけでなく、2次試験にも深く関係するのが特徴です。経営戦略論で学習する環境分析や戦略策定の方法は2次試験の事例問題を解答するための基礎になります。また、組織論は、2次試験の「事例Ⅰ:組織を中心にした経営戦略に関する事例」に直接関係します。マーケティング論は「事例Ⅱ:マーケティング・流通を中心とした経営戦略に関する事例」に直接関係します。


▉ 学習の基本戦略

企業経営理論は、丸暗記しても試験に対応にしにくい科目です。一方で、知識が無くても、論理的に考えたり、具体例で考えることで、ある程度、正解を導くことができる場合も多くあります。

また、2次に関連する部分も多いことを考えると、重要分野は丸暗記ではなく、理解することが重要と言えます。また、理論を具体例に置きかえて考えたり、逆に、具体例から理論を適用できる力がある人には、対応しやすい科目です。

そのため、学習の基本戦略としては、試験で良く出題されている部分については、内容をしっかり理解するようにします。そのためには、以下のようなポイントを整理しながら覚えるようにすると良いでしょう。

  • 具体例
  • メリット/デメリット、留意点
  • 手順
  • 切り口を整理(例えば、マーケティングの4P等)

 また、早めに過去問で出題形式と出題傾向をつかんでおくことが重要です。最初は解けなくても問題ありませんので、過去問と解説を見ながら、どういった形式で出題されるのか、どのような知識が必要なのかを把握しておきましょう。

また、本科目の範囲は、それぞれ非常に深い内容です。そのため、完全に勉強しようとするといくら時間があっても足らなくなります。試験では60点以上取れれば良いですので、試験で重要な内容から勉強していき、あまり出題されていない分野や難問については捨てることも大事になってきます。特に、本科目を最初に勉強する方は、本科目に時間をかけ過ぎて、他の科目の勉強がおろそかにならないように注意が必要です。


▉ 分野別の対策

 企業経営理論には、経営戦略論、組織論、マーケティング論の3つの分野があります。1次試験では、この3つの分野からほぼ3分の1ずつ出題されます。そのため、3つの分野のウェートは同じですが、出題傾向は若干異なっています。

 経営戦略論は、最も理解が問われる分野です。抽象的な問題が多いため、丸暗記しても試験ではあまり役に立たないのが特徴です。こういった問題の対応策は、この後の「丸暗記では対応できない問題の対策」で解説します。

 組織論は、思考力が必要な問題と知識問題の両方のタイプの問題が出題されます。出題されやすい分野は、組織形態や、リーダーシップ理論、モチベーション理論、組織間関係論、組織活性化(組織学習)などです。こういった分野では、基本問題が出題された場合は確実に解答できるように、知識を習得しておくことが重要です。また、思考力が必要な問題は、経営戦略論と同じように対策します。(この後で解説します)

 また、労働関連法規については専門的かつ細かい内容のため、どれぐらい勉強するかは悩むところです。ここ数年では、毎年3問から5問程度出題されているため、全く無視するのもリスクが大きいですが、一方で、すべて正解しようとすると、かなりの勉強量が必要になります。

 人事関係の仕事をされている方など、労働関連法規の前提知識がある方は得点源にできると思いますが、それ以外の方は、全問正解を目指す必要はないと思います。目安としては、5問出題されたら2問(可能であれば3問)正解できれば良いと思います。これぐらいの目標であれば、基本的な知識(労働基準法の基本など)をマスターしておけばクリアすることが可能です。ここに時間をかけるよりは、他の重要な部分(例えば、財務の計算問題の練習など)に時間をかけた方が効果的です。

 マーケティング論は、最も知識問題が多い分野です。勉強しただけ得点しやすい分野と言えるでしょう。他の2つの分野が得点を稼ぎにくいだけに、このマーケティング論で得点を稼げるようになることが重要です。特に、4P(製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略)については頻出ですので、しっかり勉強しておきましょう。また、マーケティング論は、2次試験でも使いますので2次対策にも重要です。


丸暗記では対応できない問題の対策

 特に「経営戦略論」で出題される問題は、丸暗記では対応できない問題がほとんどです。抽象的な記述の正誤を問う問題や、具体例を使った問題(ショートケース)が多く出題されます。

例えば、以下のような問題です。


平成20年 第2問
 経営資源と企業の戦略に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア ある経営資源を保有しない企業は、すでに保有している企業に比べて、その複製が困難であると、コスト上の不利益を被りやすい。

イ 企業が特定の経営資源を獲得、開発、活用する能力は、企業の歴史的経緯に依存しているので、先行企業は持続的な競争優位を得やすい。

ウ 企業の競争優位と個々の経営資源の関係が不明確になるのは、内部者にとってその経営資源があまりに当然なものであったり、経営資源が個別に分離しにくく一体となって競争優位をつくり出しているからである。

エ 競争優位の源泉である特殊な経営資源の外部からの調達可能性が高く、その調達コストが低いほど、それを調達する企業はコスト上優位になり、競争優位性を長期的に維持できる。

オ 保有する経営資源が希少であることは大事であるが、そのような経営資源は特殊であるため、顧客の価値と合致しないことが起こりやすくなるので、これだけでは競争優位にはつながりにくい。

※正解は、エ


このような抽象的な問題では、問題文を読んだだけでは、どれが正解なのか分かりにくいです。

このような問題を解くコツは、具体例を当てはめて考えることです。

また、具体例で考える方法に慣れれば、知識が無い問題でも正解できる場合もあります。

例えば、上記の問題の選択肢アは、「経営資源」についての記述です。ここで、具体例で考えてみましょう。

経営資源といえば、ヒト、モノ、カネ、情報的資源(ノウハウ、ブランドなど)があります。

例えば、「高度な技術ノウハウ」という具体例を考えてみましょう。

選択肢アに、これを当てはめてみると、次のようになります。

ア 「高度な技術ノウハウ」を保有しない企業は、すでに保有している企業に比べて、「高度な技術ノウハウ」の複製が困難であると、コスト上の不利益を被りやすい。

これで、だいぶ分かりやすくなったと思います。

「高度な技術ノウハウ」の模倣が困難だと、不利益を被りやすいという記述ですので、これは正しい内容です。

このように、具体例を当てはめて考えることで、抽象的な問題や知識が無い問題に、対応しやすくなります。

ちなみに、上記の問題では、別の解法も考えられます。例えば、VRIO分析のフレームワークを使えば、アの記述は「模倣困難性」に関する記述だと判断できます。

しかし、重要なのは、この問題では、知識(VRIO分析)を知らなくても、正解を導くことができる、ということです。逆に、知識の適用方法を間違ってしまうと、間違った答えを導き出してしまう恐れもあります。

繰り返しになりますが、このように、企業経営理論では単なる丸暗記では不十分で、内容を理解しておき具体例などを思い浮かべられることが重要です。ぜひ、過去問を使って、具体例で考える方法をマスターしましょう。それができれば、この科目の攻略は難しくありません。

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