「経営情報システム」は、名前の通り、情報システムに関する科目です。専門的な内容が多いため、得意、不得意が分かれやすい科目です。
現代の経営では、情報システムの活用は非常に重要になっています。そのため、経営全般のアドバイザーである中小企業診断士も、情報システムの基本的な知識を持ち、経営に活用できる必要があります。そのため、本科目では、情報システムの基本知識(1.情報通信技術に関する基礎的知識)と、経営に活用できるスキル(2.経営情報管理)が問われます。
2次試験では、情報システムの技術面が問われることは、ほとんどありません。2次試験で情報システムに関連する問題が出題される場合は、経営課題を解決するための、情報システムの活用方法といった形で出題されます。例えば、「業務を効率化するために管理すべきデータ項目」や「顧客関係を強化するためのインターネットの活用方法」、「顧客データのセキュリティの留意点」というような形で出題されます
本科目では、情報システムが得意な方と、不得意な方で取る戦略が変わってきます。
情報システムが元々得意な方は、本科目が得点源になるようにします。例えば、システムエンジニアの方は、「情報通信技術に関する基礎的知識」の分野の問題は、取りこぼさにないようにすれば高得点を取る事が可能です。
こういった方の基本戦略は、まず、自分の知識が手薄な分野(自分の専門分野以外は、知らない部分があることが多いです)の知識を補充することと、どんどん過去問演習をすることで、問題に慣れ、本番試験で高得点が取れるようにすることです。
一方、情報システムが専門でない方は、本科目の目標は、「60点取れれば十分で、最悪足切りの40点を回避する」と割り切って勉強する方が効率的です。高得点を取るにはかなりの勉強量が必要ですので、その時間を、2次に深く関連する重要科目(特に財務会計など)に配分した方が良いと思います。
この目標を達成するための基本戦略は、試験で重要なポイントに絞って勉強することです。情報システムの技術は、日々進化しており、専門家でも追随していくことは大変です。そのため、「全て理解しなければ」と考える必要はありません。スタディングの教材で最低限の基礎知識を覚えたら、過去問演習を行い、良く出題されている事柄、簡単に覚えられる事柄から覚えるのが効果的です。複雑で理解できないと感じた所は、「後回し」もしくは「捨てる」方が良いでしょう。
また、情報システムに苦手意識を感じる理由として、「省略語」が多いという事があります。「CPU」「RAM」「SQL」「HTML」...といったように、情報システムの分野は省略語のオンパレードです。省略語は、繰り返すことで慣れるのがポイントです。無理に省略前の言葉(例えば、CPUの元の言葉であるCentral Processing Unit)を覚える必要はありません。省略語でも何回も繰り返しているうちに、だんだんその言葉に慣れてきます。繰り返し学習には、スタディングの動画講義や学習マップを活用しましょう。言葉に慣れてくれば、過去問の解説を読んだときに理解できるようになってきます。
本科目には、大きく2つの分野、「情報通信技術に関する基礎的知識」と、「経営情報管理」があります。
「情報通信技術に関する基礎的知識」の分野では、まず、講座「4-1コンピュータの基礎」の内容から良く出題されています。ハードウェアやソフトウェアの基本知識を確認しておきましょう。
また、ネットワーク、インターネット、データベースの分野からも毎年出題されています。ただし、出題には偏りがあるので、基礎知識の勉強は早めに終わらせて、あとは過去問を見ながら勉強した方が効率的です。
例えば、データベースの分野では、SQLが出題されることがありますが、ほぼ、同じようなSELECT文であることが多いです。そのため、最初はこういった部分に絞って覚えた方が効率が良いでしょう。
「経営情報管理」の分野では、情報システムの開発のテーマから良く出題されています。情報システムの開発の流れや手法の基本を押さえておきましょう。
また、ブログラム言語など、特に専門性が高いテーマは、あまり時間をかけず、基本的な問題(各言語の基本的な特徴など)に対応できるようにした方が良いでしょう。
基本知識の習得と、過去問演習を繰り返すことで、「60点取れれば十分で、最悪足切りの40点を回避する」という目標は達成できます。