中小企業経営・政策は、中小企業をテーマとした科目です。本科目には、中小企業経営と、中小企業政策という2つの分野があります。
中小企業経営の分野では、中小企業の経営の動向や、課題などがテーマとなります。ほとんどの問題は、前年度の中小企業白書の内容から出題されます。中小企業白書は毎年刊行され、年度ごとにテーマが変わります。
そのため、試験でも、年度ごとにテーマが大きく変わります。これは、他の1次試験科目とは異なる特徴です。
中小企業政策の分野では、政府等が行っている中小企業向けの各種政策から出題されます。
中小企業庁をはじめとする政府各種機関は、法律に基づいて資金面や人材面、経営面など各種の中小企業に対する支援策を実施しています。中小企業政策では、主にこういった中小企業への支援策の内容が出題されます。
中小企業経営と中小企業政策は、どちらも覚える事項が多く暗記科目と言えます。覚えていれば正解ができる問題が多いため、短期間で得点を伸ばしやすい科目です。
なお、中小企業白書や、中小企業施策利用ガイドブックなどの各種資料は、中小企業庁のホームページからダウンロードできます。
■中小企業白書
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html
中小企業経営の分野で中心となる中小企業白書は、非常にボリュームが多い資料です。また、数多くの統計が含まれています。
試験では、こういった統計から出題されることもあります。しかし、全ての統計の数値を暗記することは不可能ですし、全てを暗記しなくても十分に合格点は取れます。
中小企業経営を効率的に学習するポイントは、最初に、中小企業白書の全体のストーリーを大まかに押さえることです。その上で、ストーリーにそって重要な統計を学習すると覚えやすくなります。
スタディングでは、中小企業白書から要点を抽出していますので、まずはスタディングの基礎講座を一通り聞いて見るのが良いでしょう。
次に、ストーリーを構成する上で特徴的な事実や、ストーリーに沿わないような例外部分を重点的に暗記します。こうすることで、全ての統計の詳細を覚えなくても、大半の問題には対応できるようになります。
また、中小企業白書の各統計のグラフや表には、その統計の特徴を表すサブタイトルが付けられていますが、これを覚えるのがポイントです。サブタイトルは、白書の編纂者の意図が込められていますので、サブタイトルを覚えると、白書の編纂意図や重要とされている統計上のポイントが分かります。
また、個々の統計を学習するコツは、数字の大小や順位、上位/下位のもの、他と違う部分などに注目することです。このような点だけ覚えておけば、全ての数字を覚えなくても正解することができるようになります。
なお、過去問練習をするときには注意が必要です。それは、毎年の白書の内容が大きく変わっているからです。特に、スタディングの講座7-2と7-3の内容(白書の本編の内容)に関する部分は、毎年大きく変わります。
そのため、過去問は、内容を覚えることを目的とするのではなく、出題の形式や良く出題される統計を把握することに使いましょう。
また、白書の内容でも、統計に関する内容(付属統計資料)は毎年ほぼ同じ形式になっており、この部分は試験でも特定の部分が良く出題されています。特に出題されやすい統計には、次のようなものがありますので、過去問で出題形式などを押さえつつ、統計のポイントを覚えておきましょう。(いずれも中小企業の統計です)
・企業数、事業所数の推移や大企業との比較
・従業者数、付加価値額の推移や大企業との比較
・開廃業率の推移や、開業率と廃業率の大小
・製造業・小売業・卸売業の業種別統計
中小企業政策では、各種の中小企業施策から出題されます。中小企業施策は、前述の「中小企業施策ガイドブック」等に記載されていますが、かなりの数があります。
しかし、全ての施策を細かく覚える必要はなく、過去の試験でよく出題されている施策を中心に学習するのがポイントです。
スタディングでは、過去の試験傾向から、重要な施策と、覚えるべきポイントを絞り込んでいますので、基礎講座を繰り返し学習するのが効率的です。
各政策については、支援の内容、支援を受けるための要件や制約、実施主体などを整理して覚えることが重要です。
また、中小企業政策は、毎年かなり変わります。施策の新設や、廃止、内容の変更などが頻繁に行われているからです。
そのため、過去問演習をする際には、かならず「現時点の」政策を確認しておくことが重要です。
中小企業経営・政策の試験の難易度はそれほど高くありません。重要事項を中心に集中的に学習すれば、短期間で十分合格点に到達することができます。