財務会計平成30年 第20問 - 効率的市場仮説

ピックアップ過去問解説

問題

市場の効率性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア ウィーク型仮説とは、現在の株価は、過去の株価、取引高などを織り込んでいる結果、過去のデータから、将来の株価の変動を予測することは不可能であるとする仮説である。

イ 効率的市場仮説とは、情報が即座に価格に織り込まれることを通じて、市場では効率的な価格形成が達成されているとする仮説である。

ウ 資本市場における取引上の効率性とは、手数料、税金、制度、法律などの面で取引を円滑に実施するための取引システム全般が機能しているかどうかを意味する。

エ セミストロング型仮説とは、市場の効率性は限定的であるので、ファンダメンタル分析を使って超過収益獲得の機会が存在することを示す仮説である。


解答・解説

解答:エ

 効率的市場仮説の問題です。基本的な知識ですが、知らなければ解答を導き出すことが難しい問題です。今後の出題に備えて理解しましょう。

 株価に係る情報の反映度合いが、過去の価格情報を反映しているとするウィーク型仮説から、インサイダー情報まで含むストロング型仮説まであることをおさえておきましょう。

 ウィーク型市場仮説では、現在の株価には過去の株価データの全てが迅速かつ正確に反映されているため、過去の株価や出来高といった取引実績に関する変動推移などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことです。よって、選択肢アの記述は適切です。
 不特定多数の投資家で構成される株式市場においては、株価には情報が迅速かつ正確に反映されていて効率的な価格形成が達成されているとするのが効率的市場仮説です。よって、情報が即座に価格に織り込まれていることを通じて、市場では効率的な価格形成が達成されているとする選択肢イの記述は適切です。

 取引を円滑に実施するための取引システム全般が機能することは、市場が効率的である前提条件となりますので、選択肢ウの記述は適切です。
セミストロング型仮説では、現在の株価には過去の株価データの全てが反映されているだけでなく、企業が公開している情報の全てが迅速かつ正確に反映されているため、ディスクロージャー制度によって企業が公開している財務諸表などの情報を分析しても将来の株価を予想することはできないとする仮説のことをいいます。つまり、ファンダメンタル分析の有効性が否定されています。

 よって、ファンダメンタル分析を使って超過収益獲得の機会が存在することを示す仮説であるとするエの記述は不適切で正解の選択肢となります。


学習するには

財務会計

 2-8 資本市場と資本コスト

→ 上記の講座が含まれる「1次2次合格コース」はこちらから


基礎から着実に
学びたい方におすすめ!

中小企業診断士 1次2次合格コース

中小企業診断士 1次2次合格コース
[2024+2025年度試験対応]

一括 53,900円~
分割例 月々 4,600円 × 12回~

基礎から合格レベルまで着実に学べるストレート合格を目指す方に最適なコースです。重要なポイントを凝縮した「学習マップ」で知識を体系的に整理しながら効率よく学習することができます。詳細はこちら

すべてのコースを見る

中小企業診断士のオンライン講座を、今すぐ無料でお試しできます!

今すぐ使える!3つの特典

  • 最短合格を目指す戦略がわかるセミナー!
    「短期合格の戦略」をいますぐ視聴!
  • 合格者多数輩出講座の初回版を実際に体験!
  • フルカラーだからわかりやすい
    初回版学習マップ&テキストをプレゼント!
さらに
「中小企業診断士 加速合格法」
試験突破のノウハウを凝縮!
学習をいますぐスタートできる
加速合格法をプレゼント!
お申込み後すぐに受講が試せる!
自動契約・更新はありません
お得に受講できる10%クーポン付き