財務会計平成27年 第19問 - ポートフォリオ理論におけるリスク

ピックアップ過去問解説

問題

 ポートフォリオ理論におけるリスクに関する記述として最も適切なものはどれか。


ア 安全資産とは、リスクがなく、期待収益率がゼロである資産のことである。

イ 収益率が完全な正の相関を有する2つの株式へ分散投資しても、リスク分散効果は得られない。

ウ 同一企業の社債と株式への投資を比較すると、リスクが高いのは社債への投資である。

エ 分散投資によって、リスクをゼロにすることができる。



解答・解説

解答:イ

ポートフォリオ理論におけるリスクに関する問題です。

ポートフォリオ理論の基本を押さえている方にとっては、容易に正解を導ける問題です。

まず、リスクについて確認をしておきましょう。投資を行う場合のリスクとは、不確実性のことです。例えば、確実に値上りするという株があれば、株を購入して売却することで、確実にリターンを得ることができます。このように、投資では将来が確実に予測できれば、確実にリターンを得ることができます。一方、将来がどうなるか不確実な場合は、投資が失敗する可能性が高くなります。このように、将来の不確実性を表すのがリスクです。リスクは、言い換えれば、リターンのばらつきと表現できます。つまり、あるときはリターンが上昇するが、あるときは下落する場合は、リスクが高いということです。一方、どんな状況でも、リターンが一定の場合はリスクが低いといえます。

それでは、選択肢を見てみましょう。

選択肢アでは、安全資産について述べられています。安全資産とは、国債などのリスクが無い資産のことです。国債は、景気の変動によってリターンが変わりませんので、リスクが無い資産、つまりリスクフリー資産であると考えられます。このように、国債などの安全資産は、あくまでリスクが無い資産であって、期待収益率(リターン)がゼロというわけではありません。国債に投資すると、いくらかの期待収益が得られます。よって、記述は不適切です。

選択肢イでは、リスク分散効果について述べられています。収益率が完全な正の相関を有する場合、相関係数は1となります。相関係数が1のとき、2つの株式はまったく同じ方向に動きます。そのため、相関係数が1のときは、ポートフォリオのリスク低減効果は無くなります。このように、収益率が完全な正の相関を有する2つの株式へ分散投資しても、リスク分散効果は得られません。

よって、記述は適切であり、これが正解です。

選択肢ウでは、社債と株式への投資の比較について述べられています。同一企業の社債と株式への投資を比較すると、リスクが高いのは株式への投資です。社債への投資ではありません。なぜなら、社債については、基本的に会社が倒産しない限りは、確実に金利分を上乗せした額がリターンとして期待できるからです。これに対して、株式の配当は、負債の金利の支払いと税金の支払いが終わった後の税引後利益を基にして行われます。そのため、企業の業績が悪くなれば配当も少なくなる可能性があります。株式への投資は、リターンが変動する可能性があるので、リスクが高くなります。よって、記述は不適切です。

選択肢エでは、分散投資について述べられています。限りなく銘柄数を増やしていっても、リスクをゼロに近づけることはできますが、ゼロにはなりません。よって、記述は不適切です。

リスクの定義は、ポートフォリオ理論にとっては、きわめて重要です。投資におけるリスクとは、不確実性だということをしっかりと確認しておきましょう。


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