財務会計 平成20年 第23問 - 投資の経済性計算

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問題

投資の経済性計算に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 内部収益率は、投資案の正味現在価値をゼロとする割引率である。

b 内部収益率は、投資案の割引キャッシュ・フローの和をゼロとする割引率である。

c 収益性指数は、投資案の正味現在価値をその投資額で除して求められる。

d 回収期間法は、回収後のキャッシュ・フローを無視している。

e キャッシュ・フローが、当初マイナスでその後プラスになる投資案の場合、その正味現在価値は割引率が大きくなるほど大きくなる。


[解答群]

ア aとbとd

イ aとcとd

ウ bとcとe

エ bとdとe



解答・解説

解答:ア

投資の経済性計算に関する問題です。

紛らわしい選択肢があるので難しく感じますが、落ち着いて解けば正解できる問題です。

それでは早速問題を見ていきましょう。

内部収益率とは、正味現在価値がちょうどゼロになる割引率のことです。
正味現在価値がゼロというのは投資を行うための最低限の条件です。

この内部収益率と、資本の調達コストである資本コストを比較して、内部収益率の方が大きければ投資を実行するという評価方法です。

よって問題文aは適切な内容です。

問題文bについては、「割引キャッシュフローの和」と表現されているものが、つまり正味現在価値のことであり、aとbは同じ内容の記述になっています。よってbも適切です。

問題文cについて、収益性指数とは、投資によって生じるキャッシュフローの現在価値合計をその投資額で除して求めるものです。正味現在価値をその投資額で除すという記述が誤りになります。

問題文dについて、回収期間法とは、投資額に対してそれを回収する期間を求める方法です。回収期間が目標よりも短ければ投資を実行することになります。

回収期間法はシンプルで分かりやすい反面、キャッシュの時間価値を無視している、投資を回収した後のキャッシュフローを考慮していないなどの問題点もあります。よって問題文dは適切です。

問題文eについて、キャッシュフローが当初マイナスで、その後プラスになる投資案であるからといって、割引率が大きいほど正味現在価値が大きくなるとは限りません。当初のマイナスの額やその後のプラスの額によって結果は異なってきます。よって問題文eは不適切です。

aとbとdが正しいので、選択肢アが正解となります。


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