証券投資論に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、投資家はリスク回避的であり、安全資産への投資が可能であるものとする。
ア 効率的フロンティアは、安全資産より期待収益率の高いポートフォリオすべての集合である。
イ 最適なリスク・ポートフォリオは、投資家のリスク回避度とは無関係に決まる。
ウ 市場ポートフォリオの有するリスクは、すべてのポートフォリオの中で最小である。
エ 投資家のリスク回避度は、効率的フロンティアに影響を与える。
解答:イ
本問では、市場ポートフォリオに関して問われています。市場ポートフォリオに関する細かい知識を覚えていた人は正答できるやや難易度の高い問題です。
資本市場に沢山存在する株式を自由に組み合わせたポートフォリオを作成すると、リターンとリスクの分布は図のような形になると考えられます。株式の組み合わせは無数にありますので、ポートフォリオも無数に存在します。投資家は、この中から自由にポートフォリオを選択できますが、リスクをできるだけ抑えて、高いリターンを得ようとすると、図の曲線上のポートフォリオを選択することになります。
投資家は、資本市場線と効率的フロンティアの接点において、最適なリターンとリスクを実現することができます。
資本市場線とは、リスクフリー資産と、任意の株式を自由に組み合わせた場合におけるリターンとリスクの分布を示した場合の直線のうち、最大限に上に位置するもの。
効率的フロンティアとは、特定のリスクの大きさに対して、最高のリターンをあげることが期待されるポートフォリオ、または、期待される利益の一定の大きさに対して最もリスクの低いポートフォリオのこと。
市場ポートフォリオとは、資本市場線と効率的フロンティアの接点のこと。
選択肢アですが、効率的フロンティアとは、特定のリスクの大きさに対して、最高のリターンをあげることが期待されるポートフォリオ、または、期待される利益の一定の大きさに対して最もリスクの低いポートフォリオのことです。安全資産(リスクフリーレート)より期待収益率がすべての酒豪ではありません。よって、不適切です。
選択肢イですが、最適なリスク・ポートフォリオと、投資家のリスク回避度は無関係です。よって、適切です。
選択肢ウですが、市場ポートフォリオとは、資本市場線と効率的フロンティアの接点のことです。市場ポートフォリオの有するリスクは、すべてのポートフォリオの中で最小であるではありません。よって、不適切です。
選択肢エですが、投資家のリスク回避度は、効率的フロンティアに影響を与えません。よって、不適切です。
よって、正解はイになります。
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