財務会計 令和2年 第8問 - 無形固定資産の会計

ピックアップ過去問解説

問題

 無形固定資産の会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 自社が長年にわたり築き上げたブランドにより、同業他社に比べ高い収益性を獲得している場合には、これを無形固定資産に計上することができる。

イ 自社の研究開発活動により特許権を取得した場合には、それまでの年度に支出された研究開発費を戻し入れ、無形固定資産として計上しなければならない。

ウ 受注制作のソフトウェアの制作費は、請負工事の会計処理に準じて処理され、無形固定資産に計上されない。

エ のれんとして資産計上された金額は、最長10年にわたり、規則的に償却される。


解答・解説

解答:ウ

 本問では、無形固定資産の会計について問われています。頻出論点ではありますが、研究開発費やソフトウェア、のれんなど無形固定資産に関する細かい知識が必要であるため、やや難易度の高い問題です。

「無形固定資産」とは、物理的な形が無い資産です。特許権など権利を表す資産や「のれん」などがあります。その他の無形固定資産として、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権がある場合は、権利の取得にかかった金額から、償却額を差し引いた金額が表示されます。

 選択肢アですが、「無形固定資産」とは、物理的な形が無い資産です。特許権など権利を表す資産や「のれん」などがあります。現行の会計制度では、他の企業の事業が持つ高い収益性を獲得しているブランド等を有償で取得した場合は、その収益性を「のれん」として「無形固定資産」に計上することができます。ただし、自社が獲得している収益性のあるブランド等を無形固定資産に計上することは認められていません。よって、不適切です。


 選択肢イですが、「研究開発費」には、人件費、原材料費、間接費の配賦額など研究開発により発生した全ての費用が含まれますが、一般的に原価性がないものと考えられるため、通常は「一般管理費」として発生した期の費用に計上します。したがって、自社の研究開発活動により特許権を取得した場合でも、それまでの年度に支出された研究開発費を戻し入れることはありません。よって、不適切です。


 選択肢ウですが、「受注制作のソフトウェア」とは、販売先のユーザーから受託して、ユーザーから要望された特定の仕様で制作するソフトウェアのことをいいます。「受注制作のソフトウェア」の制作費用は、請負工事の会計処理に準じて処理します。また、「受注制作のソフトウェア」については、ソフトウェアが完成していない段階でも、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には「工事進行基準」により収益の認識を行うことが認められています。したがって、受注制作のソフトウェアの制作費は、請負工事の会計処理に準じて処理され、無形固定資産に計上されません。よって、適切です。


 選択肢エですが、「のれん」の償却は最長20年となっています。よって、不適切です。

上記より、正解はウになります。


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