剰余金の配当 - 中小企業診断士 財務会計 令和2年 第4問

ピックアップ過去問解説

問題

B社は、定時株主総会において、繰越利益剰余金を原資として6,000千円の配当を行うことを決議した。なお、配当を行う前の資本金は18,000千円、資本準備金は1,000千円、利益準備金は3,000千円であった。

このとき、積み立てるべき法定準備金として、最も適切なものはどれか。

ア 資本準備金:100千円  利益準備金:300千円

イ 資本準備金:100千円  利益準備金:600千円

ウ 利益準備金:500千円

エ 利益準備金:600千円

解答・解説

解答:ウ

本問では、余剰金の配当について問われています。頻出論点であり、基本的な知識で解答できるため、正答したい問題です。
剰余金の配当を行う場合には、配当する剰余金の10分の1の額を「資本準備金」または「利益準備金」として積み立てる必要があります。ただし、この準備金への積み立ては、配当時の「資本準備金」と「利益準備金」の合計額が資本金の4分の1に達していれば必要ありません。


問題文の数値を、整理すると次のようになります。

上記の金額に、余剰金配当の条件を当てはめます。

①「資本準備金」と「利益準備金」の合計額が資本金の4分の1に達しているか確認する。

①-1資本準備金(1,000千円)と利益準備金(3,000千円)の合計は、4,000千円

①-2資本金(18,000千円)の4分の1は、4,500千円

①-3資本金の4分の1に500千円(4,500千円-4,000千円)達していない。

②配当する剰余金の10分の1の額を「資本準備金」または「利益準備金」に積み立てる。

②-1配当する剰余金の10分の1の額は、600千円(6,000千円÷10)

①-3が500千円で、②-1が600千円です。これらの数値が異なった場合、①-3の条件を満たせば、②-1は不要となるため、金額の小さい、「①-3の500千円」を選択します。



なお、この積立金は、「資本準備金」または「利益準備金」のどちらにでも積立可能ですが、選択肢で、500千円となっているのは、ウのみです。

よって、正解はウになります。

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