当期首に1,500万円をある設備(耐用年数3年、残存価額ゼロ、定額法)に投資すると、今後3年間にわたって、各期末に900万円の税引前キャッシュフローが得られる投資案がある。税率を30%とすると、この投資によって各期末の税引後キャッシュフローはいくらになるか。最も適切なものを選べ。
ア 180万円
イ 280万円
ウ 630万円
エ 780万円
解答:エ
本問は、税引後キャッシュフローについて問われています。本問は、頻出論点ではありますが、この税引後キャッシュフローの定義を正確に理解しないと正答できないため、やや難易度の高い問題です。
本問は、①各期の減価償却費を計算、②当期純利益を計算、③税引後キャッシュフローを計算、の順番で解いていきます。それでは始めます。
①各期の減価償却費を計算
問題文から、1,500万円を耐用年数3年、残存価値ゼロ、定額法なので、各期の減価償却費は、1,500万円÷3年=500万円となります。
②当期純利益を計算
税引前キャッシュフローの定義は、次の通りです。
税引前キャッシュフロー = 営業利益 + 減価償却費 ± 運転資金の増減
本問では、運転資金の増減は考慮していないので、上記の定義に数値を入れると次のようになります。
税引前キャッシュフロー(900万円) = 営業利益 + 減価償却費(500万円)
営業利益 = 400万円
営業利益が400万円なので、当期純利益は次のようになります。
当期純利益 = 営業利益(400万円) × (1-税率30%)
= 280万円
上記の計算をBOX図にすると次のようになります。
③税引後キャッシュフロー
上記より、税引後のキャッシュフローは、減価償却費(500万円)と税引後利益(280万円)の合計で、780万円となります。
ここでのポイントは、税引前キャッシュフローには、営業利益と減価償却費が含まれていることを理解していたかどうかです。
よって、正解はエになります。
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