自己株式を現金で取得し、消却したとする。他の条件を一定とすると、これによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 固定比率は不変である。
b 自己資本利益率は向上する。
c 総資本利益率は不変である。
d 流動比率は悪化する。
〔解答群〕
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
解答:エ
本問では、経営分析について問われています。経営分析は、2次試験でも使用する重要な論点です。本問でも素早く計算をし、正答したい問題です。
経営分析では、収益性、効率性、安全性、総合力が重要であり、それぞれの具体的な指標の意味と式は、下の通りです。
また、本問ではそれぞれの指標が数値で与えられていません。問題文の「自己株式を現金で取得し、消却したとする。」では、次のように貸借対照表が変化します。
「a 固定比率」は、固定比率は、「固定資産÷純資産」で計算され、長期の安全性を示す指標です。自己株式の消却により純資産が減少しますが、固定資産は変化しないことから、固定比率は高くなります。よって、不適切です。
「b 自己資本利益率(ROE)」は、「当期純利益÷純資産」で計算され、株主からみた企業全体の収益性を示す指標です。自己株式の消却により純資産が減少しますが、当期純利益は変化しないことから、自己資本利益率(ROE)は高くなります。よって、適切です。
「c 総資本(事業)利益率(ROA)」は、「事業利益÷総資本」で計算され、投資家からみた企業全体の収益性を示す指標です。自己株式の消却により純資産が減少し、総資本も減少しますが、(事業)利益は変化しないことから、総資本(事業)利益率(ROA)は高くなります。よって、不適切です。
「d 流動比率」は、「流動資産÷流動負債」で計算され、短期の安全性を示す指標です。自己株式を現金で取得したことで、現金が減少し、流動資産も減少しますが、流動負債は変化しないことから、流動比率は悪化(低下)します。よって、適切です。
上記より、適切な組み合わせは、「b 自己資本利益率(ROE)」と「d 流動比率」です。上記より、正解はエになります。
財務会計
2-6 「経営分析」◆安全性分析
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