財務会計 令和元年 第5問 - 計算書類

ピックアップ過去問解説

問題

会社法上の計算書類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 会社法上の計算書類には、株主資本等変動計算書は含まれない。

イ 計算書類の作成と報告に当たっては、会社法のほかに財務諸表規則(財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則)に準拠しなければならない。

ウ 公開会社は、計算書類に加えて連結計算書類を作成し、定時株主総会に報告することが求められている。

エ 取締役会設置会社は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に計算書類を提供しなければならない。



解答・解説

解答:エ

 本問では、計算書類について問われています。

 株式会社は、会社法により計算書類(財務諸表)を作成することが義務付けられています。計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(計算書類を読む際の注意事項を記したもの)があります。これらは、どんなに小さい企業であっても株式会社であれば作成が義務付けられています。さらに、取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)を提供しなければなりません。この通知の際に株主に提供する書類には、計算書類、連結計算書類、事業報告、会計監査報告、監査報告があります。

上記を踏まえたうえで、選択肢についてみていきましょう。

 選択肢アですが、株主資本等変動計算書は、会社法によりその作成が義務付けられています。よって、不適切です。

 選択肢イですが、財務諸表規則は、金融商品取引法によって定められた規則であり、上場会社のみ、その作成が義務付けられています。


会社法(計算書類)

すべての株式会社が対象

金融商品取引法(財務諸表規則)

全ての上場会社が対象

貸借対照表

損益計算書

株主資本等変動計算書

個別注記表

貸借対照表

損益計算書

株主資本等変動計算書

キャッシュ・フロー計算書

付属明細表


上記の表より上場していない会社は、財務諸表規則に準拠する必要はないため、不適切です。

 選択肢ウですが、公開会社であっても子会社を持たない会社は存在します。子会社を持たない会社は、連結計算書類は不要であり、単体決算だけの会社もあるため不適切です。

 選択肢エですが、取締役会設置会社では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)を提供しなければなりません。よって適切です。

解法のポイント
初見で予備知識のない用語が出題された場合は、用語に使われている単語や文字からその意味を連想することで、解答を導き出せることがあります。


補足 計算書類(財務諸表)
株式会社は、会社法により計算書類(財務諸表)を作成することが義務付けられています。計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(計算書類を読む際の注意事項を記したもの)があります。これらは、どんなに小さい企業であっても株式会社であれば作成が義務付けられています。

さらに、中小企業が計算書類を作成する際のガイドラインとして「中小企業の会計に関する指針」があります。これは、日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の4団体が、中小企業の拠るべき会計指針をまとめたものです。「中小企業の会計に関する指針」は、平成17年度に公表され、平成18年度に会社法施行等に対応した改正を行い、以降も企業会計基準の見直しを踏まえた改正を毎年実施しています。
「中小企業の会計に関する指針」は、義務ではありませんが、中小企業が計算書類を作成するにあたり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すものであり、この指針に従うことが推奨されています。特に、会計参与設置会社(経営法務で学習)が計算書類を作成する際には、本指針に拠ることが適当とされています。

さらに、取締役会設置会社(経営法務で学習)では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む)を提供しなければなりません。この通知の際に株主に提供する書類には、計算書類、連結計算書類、事業報告、会計監査報告、監査報告があります。


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財務会計

 2-1 財務諸表

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