財務会計 令和元年 第14問 - デリバティブ

ピックアップ過去問解説

問題

オプションに関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア オプションの価格は、オプションを行使した際の価値、すなわち本質的価値と時間的価値から成り立っている。

イ オプションの時間的価値はアット・ザ・マネーのとき、最大となる。

ウ コールオプションにおいて、原資産価格が行使価格を上回っている状態を、イン・ザ・マネーと呼ぶ。

エ 本質的価値がゼロであっても、時間的価値が正であれば、オプションを行使する価値がある。



解答・解説

解答:エ

 本問では、デリバティブの中で、オプション取引に関して問われています。

まず、オプションについての基礎的な知識を復習します。

オプションの価格構成は、「オプション料=本質的価値+時間的価値」で構成され、それぞれの用語の意味は以下の通りです。

また、こういった原資産価格と権利行使価格との関係性によって、オプションは次の3つの状態に分類されます。


これを踏まえて、選択肢についてみていきます。

 選択肢アですが、オプションの価格は、「オプション料=本質的価値+時間的価値」で構成されます。そのため、適切です。

 選択肢イですが、「時間的価値」とは、権利行使期日までの間にオプションの価値が高くなる可能性への期待感のことをいいます。例えば、「本質的価値」が「アウト・オブ・ザ・マネー」のオプションであっても、権利行使期日までに原資産価格が高騰して「イン・ザ・マネー」の状態となる可能性があります。この可能性を「時間的価値」と呼びます。そのため、コールでは原資産価値が権利行使価格を下回っている状態である、「アウト・オブ・ザ・マネー」のオプションよりも原資産価格が権利行使価格と等しい状態である「アット・ザ・マネー」のオプションの方が「イン・ザ・マネー」に推移する可能性が高いため、「アット・ザ・マネー」のオプションの「時間的価値」が最も高くなります。そのため、適切です。

 選択肢ウですが、「コールオプション」においては、原資産価格が行使価格を上回っている状態を「イン・ザ・マネー」と呼ぶため、適切です。

 選択肢エですが、「本質的価値」とは、現時点でオプションの権利を行使したら得られる利益のことをいい、「時間的価値」とは、権利行使期日までの間にオプションの価値が高くなる可能性への期待感のことをいいます。そのため、時間的価値が「プラス」であったとしても、本質的価値が「ゼロ」の状況でオプションを行使すれば利益を得ることはできないため、オプションを行使する価値はありません。そのため、不適切です。

したがって、選択肢エが正解です。


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