工数計画およびそれに対応した余力管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 各職場・各作業者について手持仕事量と現有生産能力とを調査し、これらを比較対照したうえで手順計画によって再スケジュールをする。
イ 工数計画において、仕事量や生産能力を算定するためには、一般的に作業時間や作業量が用いられる。
ウ 工数計画において求めた工程別の仕事量と日程計画で計画された納期までに完了する工程別の仕事量とを比較することを並行的に進めていき、生産能力の過不足の状況を把握する。
エ 余力がマイナスになった場合に、就業時間の延長、作業員の増員、外注の利用、機械・設備の増強などの対策をとる。
解答:ア
生産計画の中で工数計画と他の手順計画、日程計画との関係を理解していれば正解できる問題です。
まずは、工数計画を含む生産計画と余力管理を簡単に復習しましょう。
生産計画は、手順計画、工数計画、日程計画に分けられます。
手順計画は、製品を生産するための作業や、工程の順序、作業条件などを決定する活動です。
工数計画は、生産に必要な工数を計算し、工数を調整する活動です。
日程計画は、生産のスケジュールを決定する活動です。
余力管理は、工程や作業者について、現在の負荷状況と能力を把握し、余力や不足がある場合は、作業の再配分を行う活動です。
ここまで押さえた上で、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アについて、手持仕事量が現有生産能力を超えている場合は、超過分の仕事量を別の期間に振り分けるなど、「日程計画」によって再スケジュールをします。よって、選択肢アは不適切です。
選択肢イについて、一般的に、作業時間や作業量から仕事量や生産能力を算定します。よって、選択肢イは適切です。
選択肢ウについて、「日程計画で計画された納期までに完了する工程別の仕事量」 (納期までに対応できる仕事の量) が生産能力であり、これと工数計画を比較することで生産能力の過不足の状況を把握できます。よって、選択肢ウは適切です。
選択肢エについて、余力がマイナスのため、工数計画で計画した工数より、実際に発生した工数のほうが大きい状態になっています。そのため、就業時間の延長、作業員の増員、外注の利用、機械・設備の増強といった、余力の確保が必要となります。よって、選択肢エは適切です。→ 上記の講座が含まれる「1次2次合格コース」はこちらから
中小企業診断士 1次2次合格コース
|
すべてのコースを見る |