小売業の店舗レイアウトの考え方に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 一般的に、売場の括り(くくり)は、以前は「売る立場」から考えられたものが、近年では「買う立場」からも考えられるように変化してきている。
イ 一般的に、すべての階の実際の通行量をそのまま比較することによって、どの階のレイアウトがよいかを判断できる。
ウ 客に通路上をできる限り長い距離を歩いてもらえるように、通路は売場内の隅から隅へと、最初に大回りしてもらえるように設定することが一般的である。
エ 客にとって商品が見やすく、さわりやすいように、通路が適切に設計されていることが大切である。
解答:イ
店舗レイアウトに関する出題です。
ごく基本的な内容であり、ある程度文脈からの判断も可能であるため、確実に得点することが望まれます。
選択肢を見ていきましょう。
選択肢アについて、売り場の括りは、効率的な店舗運営のために「売る立場」から考えることも重要ですが、近年ではそれに加えて、「買う立場」に利便性を与えるように検討することも重要な要素になっています。
たとえば、スーツ、シャツ、ネクタイ、靴などを一括りにして、「男のビジネススタイル」と題する売り場を提供するというものです。利用場面での関連性が高い商品同士をグルーピングするのは一つの例です。よって選択肢アは適切です。
選択肢イについて、たとえば百貨店を例として考えると、各階によって役割は異なっており、単純に通行量をそのまま店舗レイアウトの良し悪しの判断材料とするのは明らかに不適切です。
よって選択肢イは不適切で正解です。
選択肢ウについて、店舗レイアウトを考えるうえでは、顧客の回遊性を高め、客動線を長くすることが重要です。
たとえば、スーパーマーケットでは、壁面側に配置された青果、精肉、鮮魚の前を主通路として、店内を大回りしてもらえるように設定されています。 これにより来店顧客を店奥まで誘導し、多くの陳列商品に触れてもらうことで、買上点数を増やすことを狙っています。よって選択肢ウは適切です。
選択肢エについて、客が商品を見やすく、さわりやすいように通路を設定することは、店舗レイアウトを考えるうえでは、最も基本原則となりうるものです。よって選択肢エは適切です。
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