チェーン小売業の物流センターの機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 仕入先から物流センターへの納品頻度は、在庫型物流センターよりも通過型物流センターを利用する方が少なくしやすい。
イ 通過型物流センターには、各仕入先からの納品に対する店舗での荷受作業を集約する機能はない。
ウ 店舗での発注から納品までのリードタイムは、通過型物流センターよりも在庫型物流センターを利用する方が短くしやすい。
エ 物流センターから店舗へ多頻度小口配送を推進すると、店舗の平均在庫量は増加する。
オ 物流センターから店舗へのカテゴリー納品を行うと、店舗への納品回数は多くなる。
解答:ウ
物流センターの機能に関する出題です。物流センターの形式や納品方法について基本的な知識が問われており、難易度は高くありません。
では、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは不適切な記述です。仕入先から物流センターへの納品頻度は、一般的に通過型センターよりも、在庫型センターの方が少なくなります。一定の在庫量を保管しておく在庫型物流センターでは、店舗からの発注に対して保管している在庫から出荷しますので、その都度毎回、仕入先から物流センターに納品されることはありません。一方、通過型物流センターでは基本的に在庫を持たないため、店舗から発注があると、仕入先から物流センターへその都度納品されます。よって、在庫型物流センターよりも通過型物流センターの方が納品頻度は高くなります。
選択肢イは不適切な記述です。通過型物流センターは、店舗での荷受作業を集約する機能を有しています。もし、仕入先が物流センターを通さずに直接店舗に納品した場合、店舗では仕入先の数だけトラックが到着し、荷受作業が発生することになります。通過型物流センターを通すことで、これらの荷受作業は店舗に代わって物流センター側でまとめて実施できます。
選択肢ウは適切な記述です。店舗での発注から納品までのリードタイムは、一般的に通過型物流センターよりも在庫型物流センターの方が短くなります。これは、店舗からの発注に対して、通過型物流センターでは毎回仕入先から商品が物流センターに届き、そのあと店舗へ配送されますが、在庫型物流センターでは保管している在庫からすぐに出荷できるためです。
選択肢エは不適切な記述です。店舗への多頻度小口配送を推進すると、店舗の平均在庫量は一般的に減少します。多頻度小口配送は、1回あたりの納品量を少なくして、その分、店舗に納品する回数を増やすので、店舗で抱える在庫は少なくて済むためです。
選択肢オは不適切な記述です。カテゴリー納品を実施しても店舗への納品回数が多くなるわけではありません。カテゴリー納品とは、売場の構成に合わせて商品を取りまとめて納品することをいいます。例えば、仕入先A社の商品、B社の商品という仕入先単位のまとまりで納品するのではなく、シャンプー売場の商品、入浴剤売場の商品という売場単位のまとまりで納品します。あらかじめ売場単位に分けた状態で納品されるため、店舗にとっては商品補充が効率的になるといったメリットがありますが、カテゴリー納品は納品する商品のまとめ方の問題ですので、納品回数が変わるわけではありません。
物流センターの機能は頻出テーマです。在庫型物流センターと通過型物流センターの違いはしっかり理解しておきましょう。
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