生産現場におけるレイアウトのための分析手法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア DI分析では、横軸に製品、縦軸に生産量をとり、グラフを作成する。
イ SLPにおける相互関係図表は、アクティビティ間の立体的な大きさについて評価する。
ウ 流れ線図は、対象物の移動経路を工場配置図または機械配置図の上に、工程図記号を使って線図で記入し作成する。
エ フロムツウチャートは、列を機械設備、行を製品とし、セルに各設備の生産量を示して作成する。
解答:ウ
工場レイアウトの分析手法に関する出題です。レイアウトの設計をシステマティックに行う手法をSLP(Systematic Layout Planning)といいます。本問はSLPに関する様々な分析手法について正確な知識が問われており、やや難易度の高い問題です。
SLPでは、設備や機械、材料、倉庫などの構成要素の配置を計画します。これらの構成要素をアクティビティといい、SLPではアクティビティの流れや、アクティビティ間の関連性を分析することで、最適なレイアウトを計画していきます。
では、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは不適切な記述です。DI分析とは、生産現場における工程間の「距離(Distance)」と運搬量を表す「関係強度(Intensity)」の関係から、工場レイアウト案の評価を行う分析手法です。グラフの横軸に製品、縦軸に生産量を取るのはP-Q分析です。
選択肢イは不適切な記述です。SLPにおける相互関係図表は、通路や機械、出入口といったアクティビティ間の近接性を評価するものです。アクティビティの関連性を分析し、どの程度近づけるか、あるいは離して配置するかを検討します。アクティビティ間の立体的な大きさについて評価するものではありません。
選択肢ウは適切な記述です。流れ線図とは、工場配置図や機械配置図の上に、物や人の動きを工程図記号とそれを結ぶ流れ線で記入した図をいいます。流れ線図を作成すると、工場内の逆行した流れや、無用な動き、配置の不具合などを視覚的に把握することができます。
選択肢エは不適切な記述です。フロムツウチャートとは、工程間で物がどこから(From)どこへ(To)流れていくかを示したものです。多品種少量生産をする工場において、機械設備や作業場所の配置計画をするときに使われます。フロムツーチャートは、その職場における機械設備と作業場所をすべて列挙し、列に「物の送り元」、行に「行き先」、セルに「移動運搬の回数」を記入します。
SLPは頻出テーマです。SLPに関連する分析手法とその分析手法は何を評価するものか、しっかり覚えておきましょう。
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