発注方式 - 中小企業診断士 運営管理 令和3年 第12問

ピックアップ過去問解説

問題

発注方式における発注点あるいは発注量の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ダブルビン方式における発注量として、発注点の2倍を用いた。

イ 定量発注方式における発注点として、調達期間中の平均的な払い出し量を用いた。

ウ 定量発注方式における発注量として、経済発注量を用いた。

エ 定期発注方式における発注量として、(発注間隔+調達期間)中の需要量の推定値に安全在庫を加えた量を用いた。



解答・解説

解答:ウ

 発注方式に関する出題です。発注点と発注量の決定について、それぞれの発注方式の基本的な知識が問われています。難易度は高くありませんので、確実に正解したい問題です。

まず、発注方式について確認しておきましょう。

発注方式発注点と発注量対象品目
ダブルビン方式2つの入れ物を用意し、一方が
空になったら発注する
単価が安い小物などに
適している
定量発注方式在庫量が発注点を切ったら
毎回同じ量を発注する
需要が安定しており、
単価が低い品目に適している
定期発注方式一定期間ごとにその都度、
発注量を決めて発注する
単価が高く、在庫調整の
必要が高い品目に適している

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは不適切な記述です。ダブルビン方式は在庫を2つの容器に入れ、片方ずつ使用し、容器が空になった時点で発注する方式です。ここで発注する量は、空になった分だけ、つまり容器1つ分だけです。発注点の2倍を発注すると過剰在庫になります。

選択肢イは不適切な記述です。定量発注方式の発注点は、1期間あたりの平均需要量×調達期間+安全在庫量で求めます。つまり、調達期間中の平均的な払い出し量に安全在庫を加えた量になります。安全在庫を考慮しないと、頻繁に欠品を起こす可能性があります。

選択肢ウは適切な記述です。定量発注方式の発注量には経済的発注量が用いられます。経済的発注量とは、発注作業にかかる費用と在庫の保管費用を合計した総費用を最も少なくする発注量のことです。次の式で算出します。

経済的発注量=

選択肢エは不適切な記述です。定期発注方式の発注量は、(発注間隔+調達期間)中の需要量の推定値-発注残-手持在庫量+安全在庫量となります。つまり、発注間隔+調達期間中の需要量に安全在庫を足した数値から、現時点の在庫量を差し引き、発注済みでまだ入荷していない品物があればその分も差し引く必要があります。

発注方式は生産管理と店舗販売管理のどちらにも狙われやすいテーマです。それぞれの発注方式がどのような資材(或いは商品)の発注に適しているか、発注点と発注量の関係と合わせて、理解しておきましょう。


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