需要予測に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 過去の観測値から将来の需要量を予測するために移動平均法を利用した。
イ 過去の観測値ほど重みを指数的に増加させるために指数平滑法を利用した。
ウ 工場の新設に当たっての設備能力を決定するために短期予測を利用した。
エ 次週の生産計画を立案するために長期予測を利用した。
解答:ア
本問は需要予測について問われています。基本的な問題で難易度は高くありません。
では選択肢を見ていきましょう。
選択肢アですが、移動平均法は直近までの一定期間の過去データ平均により将来の予測値とする手法であるため、適切な記述です。
選択肢イですが、指数平滑法は以下の式(1)で計算することで、今期実績値と今期予測値の影響を来期予測値にどの程度反映させるかを調整します。
来期予測値 = 今期予測値 + 平滑化指数 X (今期実績値 - 今期予測値)→式(1)
また、指数平滑法による予測は、以下の式による計算方法も用いられることがあります。
来期予測値=今期実績値×0.5+前期実績値×(0.5の2乗)+前々期実績値×(0.5の3乗)+前々々期実績×(0.5の3乗)+・・・式(2)
式(2)では、今期、つまり直近の観測値ほど重みを指数的に増加させることがわかります。従って、過去の観測値ほど重みを指数的に増加させる、という記述は不適切です。
選択肢ウですが、工場の新設にあたっての設備能力の決定には短期予測は利用されません。設備の耐久性、設備により製造される製品の需要に関する長期予測を踏まえた工場への投資額及び投資後のキャッシュフローからの投資意思決定が必要となります。従って、不適切な記述です。
中小企業診断士 1次2次合格コース
|
すべてのコースを見る |