動作経済の原則に基づいて実施した改善に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 機械が停止したことを知らせる回転灯を設置した。
b 径の異なる2つのナットを2種類のレンチで締めていたが、2種類の径に対応できるように工具を改良した。
c 2つの部品を同時に挿入できるように保持具を導入した。
d プレス機の動作中に手が挟まれないようにセンサを取り付けた。
〔解答群〕
ア aとb
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
解答:ウ
本問は、動作経済の原則に関する問題です。直接、動作経済の原則を問うのではなく、動作研究の原則に基づいて実施した改善、を問うているため難易度がやや高いものです。
では、動作経済の原則について確認しましょう。
動作経済の原則は、疲労を少なくして、できるだけ少ないエネルギーで楽に作業をするための原則です。動作経済の原則には、様々なものがあります。
・身体の使用:できるだけ両手を同時かつ左右対称に使うこと、できるだけ小さい動作で仕事をすること、できるだけ重力や慣性などを利用すること、自然な姿勢でリズム良く作業することなど
・作業場の配置:物は手の届く範囲で体の前方に配置すること、作業台や椅子は正しい姿勢が取れるようにすることなど
・工具や設備:手で保持する代わりに工具などで保持すること、使いやすい専用の工具を使用することなど
では、各記述を見ていきましょう。
aの記述ですが、回転灯の設置は機械の停止を知らせる目的なので、人の疲労を少なくすることが目的ではありません。従って、不適切な記述です。
bの記述ですが、2種類の径に対応できるように工具を改良することで、作業が削減されるため効率的になり、疲労を少なくします。従って、適切な記述です。
cの記述ですが、保持具導入により2つ部品を同時に挿入することができ、作業が削減されるため効率的になり、疲労を少なくします。従って、適切な記述です。
dの記述ですが、センサは人の疲労を少なくするためではなく、プレス機の動作中に手が挟まれないようにするためですので、不適切な記述です。
従って、選択肢ウが正解です。
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