ギッフェン財の特徴として最も適切なものはどれか。なお、当該財の価格が下落した場合を想定する。
ア ギッフェン財は下級財であり、代替効果に伴う消費の増加分が所得効果に伴う消費の減少分を下回る。
イ ギッフェン財は下級財であり、代替効果に伴う消費の減少分が所得効果に伴う消費の増加分を上回る。
ウ ギッフェン財は上級財であり、代替効果と所得効果によって消費の増加が生じる。
エ ギッフェン財は上級財であり、代替効果に伴う消費の増加分が所得効果に伴う消費の減少分を下回る。
解答:ア
ミクロ経済学から、ギッフェン財に関する問題です。ギッフェン財の特徴を覚えていた人は正解できる問題です。
まず、ギッフェン財について簡単に復習しておきましょう。
ギッフェン財とは、価格が下がった時に、消費量も下がるような財のことです。(逆に、価格が上がった時は消費量が増加する財です)
財の種類には、上級財と下級財があります。下級財では、財の価格が下がったとき、代替効果はプラスになりますが、所得効果はマイナスになります。(財の価格が下がった時は、代替効果はかならずプラスになります)
ギッフェン財は、代替効果よりも所得効果の方が大きいことにより、価格が下がった時に合計の消費量が減少する(価格が上がった時には合計の消費量が増加する)財を表します。
以上より、ギッフェン財であるための条件は、下級財かつ、代替効果よりも所得効果の方が大きいことであり、アが正解となります。
なお、ギッフェン財は実例としては多くはありませんが、19世紀のアイルランドでのジャガイモ飢饉の際のジャガイモの例が有名です。(これを発見したイギリスの経済学者ギッフェンにちなんでギッフェン財と名付けられました)
当時アイルランドではジャガイモは貧しい人々の主食でした。ジャガイモ飢饉になると、ジャガイモの価格が上昇して、人々の生活を圧迫します。
すると、人々はぜいたく品である肉の消費を減らし、主食のジャガイモの割合を増やして対応しようとしました。
つまり、ジャガイモは、価格上昇したにも関わらず、消費量が増えるという結果になりました。
これを代替効果と所得効果で説明すると、財(ジャガイモ)の価格が上昇した際に、代替効果はマイナス(ジャガイモから肉等に消費が移る)ですが、それを上回るプラスの所得効果(実質的な所得が減って貧しくなり、高価な肉の購入を減らし、主食のジャガイモの購入を増やす)が発生しました。所得効果の方が代替効果よりも大きいため、トータルで見るとジャガイモの消費は増えることになりました。
ギッフェン財や、上級財と下級財の定義は、しっかり覚えておきましょう。
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