付加価値 中小企業診断士 経済学・経済政策 平成21年 第1問

ピックアップ過去問解説

問題

次の付加価値に関する文章中の空欄【 】に入る最も適切な数字を下記の解答群から選べ。

(1) 農家による「オレンジ」の生産が40万円であった。ただし、生産に必要とされる中間生産物などの投入費用はゼロとする。このうち、飲料メーカーに30万円分を卸し、残りの10万円分を消費者に販売した。

(2) 飲料メーカーは農家から仕入れた30万円分の「オレンジ」で、「オレンジジュース」50万円分を生産した。

(3) スーパーマーケットは飲料メーカーから50万円分の「オレンジジュース」を仕入れ、消費者への「オレンジジュース」の販売が60万円であった。

(4) このとき、付加価値の合計は【 】万円に等しい。

[解答群]

ア 60

イ 70

ウ 80

エ 90

オ 100


解答・解説

解答:イ

マクロ経済学から、付加価値に関する出題です。

本問は、付加価値の定義をしっかり押さえていた人には簡単な問題です。

付加価値は、財の生産額から、中間投入額を引いた金額です。

例えば、農家が300万のりんごを生産し、それをメーカーが仕入れて700万円分のりんごジュースに加工し、さらにそれをスーパーが仕入れて1000万円分消費者に販売したとします。

この場合の付加価値は、1000万円です。それは、以下のように計算できます。

以上より、ギッフェン財であるための条件は、下級財かつ、代替効果よりも所得効果の方が大きいことであり、アが正解となります。

農家の付加価値: 生産額(300万円)

メーカーの付加価値: 生産額(700万円)-中間投入額(300万円) = 400万円

スーパーの付加価値: 生産額(1000万円)-中間投入額(700万円) = 300万円

⇒ 合計の付加価値: 農家+メーカー+スーパー = 1000万円

メーカーとスーパーの付加価値を計算する時に、仕入れの金額(中間投入額)を引くことに注意しましょう。

また、もっと簡単に付加価値を求める方法があります。それは、最終消費者への販売額を合計することです。

この例の場合は、最終消費者への販売は、スーパーのみ行っているため、スーパーの売上1000万円が付加価値となります。

これだけ知っていれば、本問は簡単に解くことが可能です。

最も簡単な解き方は、「最終消費者への販売額の合計」を求めることです。

問題文を見ると、

農家の消費者への販売額: 10万円

スーパーの消費者への販売額: 60万円

ということがわかりますので、付加価値はこの2つを合計して70万円になります。とても簡単ですね。

もう1つの解き方は、「財の生産額から、中間投入額を引いた金額」を合計することです。

問題文より、

農家の付加価値: 生産額(40万円)-中間投入額(0円)= 40万円

メーカーの付加価値: 生産額(50万円)-中間投入額(30万円)= 20万円

スーパーの付加価値: 生産額(60万円)-中間投入額(50万円)= 10万円

ということが分かりますので、付加価値はこれらを合計した70万円になります。

ちなみに、国全体で生み出された付加価値を合計したものがGDP(国内総生産)となります。そのため、付加価値はマクロ経済学の基礎となりますので、しっかり理解しておきましょう。


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