経済学・経済政策 令和2年 第7問 - トービンのq

ピックアップ過去問解説

問題

 トービンの q に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業の株価総額と現存の資本の買い替え費用の総額が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。

イ 企業の市場価値が資本の再取得価格を下回るとき、企業は新規の投資を実行する。

ウ 企業の市場価値と投資費用が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。

エ 資本投資の予想収益が投資費用よりも大きいとき、企業は新規の投資を実行する。


解答・解説

解答:エ

トービンのqに関する問題です。難易度は高くなく、取り組みやすい問題となっています。
トービンのq理論とは、企業の市場価値と現在の資本ストックとの比較によって、投資が決定されるという理論です。

トービンのqは、式を使って次のように示されます。

トービンのq = 企業の市場価値 ÷ 資本の再取得価格 

ここで、「企業の市場価値」とは、時価株主価値時価負債価値の合計額のことです。時価株主価値は株式時価総額のことで、1株当たりの株価に発行済株式数を掛けたものです。「資本の再取得価額」とは、企業が保有する資本ストックをすべて買い換えた場合の費用総額のことです。

トービンのqが1より大きい場合、資本ストックの価値よりも企業の市場価値の方が大きい状態です。
これは、市場が資本ストックの価値を超える企業評価をしていることになります。
すなわち、企業が保有する資本ストックを市場で売却した金額よりも、その資本ストックを使って企業が生み出す利益の方が大きいことを表しています。したがって、企業は追加的な投資をすることによって投資を上回る収益を期待することができるため、企業は投資を実行します。

これに対して、トービンのqが1より小さい場合、資本ストックの価値よりも企業の市場価値の方が小さい状態です。
これは、市場が資本ストックの価値を下回る企業評価をしていることになります。すなわち、企業が保有する資本ストックを市場で売却した金額の方が、その資本ストックを使って企業が生み出す利益よりも大きいことを表しています。企業は追加的な投資をすることによって投資を下回る収益しか期待することができないため、企業は投資を実行しません。この場合、既存設備の縮小が必要となります。

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢アですが、トービンのqでは、企業の時価総額が現存の資本の買い替え費用を上回るとき、企業は新規投資を増やします。したがって、不適切な記述です。

選択肢イですが、トービンのqでは、企業価値が資本の再調達価格を上回るときに新規投資が実行されます。したがって、不適切な記述です。

選択肢ウですが、企業の市場価値が投資費用よりも大きいとき、企業は新規投資を行います。したがって、不適切な記述です。

選択肢エですが、資本投資の予想収益が大きいとき、企業の市場価値は大きくなります。市場価値が投資費用よりも大きいとき、トービンのqは1より大きくなるため、企業は新規の投資を実行します。したがって、適切な記述です。

学習するには

経済学・経済政策

 5-7 労働市場と主要理論 投資の理論

<2022年試験対策>
これから合格を目指す方におすすめ

中小企業診断士 1次2次合格コース

中小企業診断士 1次2次合格コース[2022年度試験対応]

一括 48,400円~
分割例 月々 4,100 × 12回~

基礎から合格レベルまで着実に学べるストレート合格を目指す方に最適なコースです。重要なポイントを凝縮した「学習マップ」で知識を体系的に整理しながら効率よく学習することができます。詳細はこちら
すべてのコースを見る

いますぐ無料でお試しできます

現在、冊子「中小企業診断士 加速合格法」無料でプレゼント中!
無料セミナー「短期合格の戦略」配信中!

スタディング 中小企業診断士講座 無料冊子 「中小企業診断士 加速合格法」

無料冊子

「中小企業診断士 加速合格法」
試験勉強で苦労する前に読んでおきたい、短期間で合格するための方法を解説した冊子(電子版)です。

無料セミナー

「短期合格の戦略」

スタディング 中小企業診断士講座 無料動画講座

無料動画講座

基本講座初回版「1-1経営と戦略の全体像」

動画/音声講座、テキスト、実戦フォローアップ講座、スマート問題集、過去問セレクト講座、2次合格メソッド講座、2次基礎講座(令和元年度事例1)付き!

無料講座と合格法冊子・無料セミナーを試してみる