独占的競争市場 - 中小企業診断士 令和2年 第20問 経済学・経済政策

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問題

居酒屋は独占的競争市場の一例として考えられている。このような独占的競争市場における居酒屋に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a この居酒屋は、周囲の居酒屋が価格を下げた場合でも、製品差別化のおかげで需要が減少することはない。
b この居酒屋は、正の利潤を見込んで新規の居酒屋が多数参入してくると、製品が差別化されていたとしても、長期的に利潤はゼロになる。
c この居酒屋は、他の居酒屋とは差別化したメニューを出しているので、価格支配力を持つ。
d この居酒屋は、プライス・テイカーである。


[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd


解答・解説

解答:ウ

独占的競争市場に関する問題です。難易度は高くなく取り組みやすい問題です。

まず、独占的競争市場について見ていきましょう。

独占的競争市場は、多くの企業が他の競争相手とは差別化された製品を提供している環境をいいます。

独占市場との違いは、独占市場では、独占企業が提供する製品が「同質的」であるのに対し、独占的競争では「異質的」であることです。独占的競争市場では企業が製品に対し、同質ではなく製品ごとに差別化させており(異質的)、自ら価格を設定します。従って、独占的競争市場において企業は、プライス・テイカー(完全競争市場)ではなくプライス・メーカーとなります。

例えば、パソコンの市場では、メーカーによってそれぞれにスペックやデザイン等から差別化要因を打ち出して販売しています。この異質性が単なる価格競争に陥らない状況を作っています。パソコン市場に限らず、差別化要因を打ち出しているという点から衣料品、家具、食品等多くの市場が該当します。

では、選択肢を見てみましょう。

aですが、周囲の居酒屋が価格を下げれば、競争が生じ、需要が減少するため、不適切な記述です。

bですが、正の利潤を見込んで、新規の居酒屋が多数参入してくれば、製品が差別化されていたとしても、長期的に利潤はゼロになります。したがって、適切な記述です。

cですが、独占的競争市場では各企業は価格支配力を持ちます。したがって、適切な記述です。

dですが、価格支配力を持つのは、プライス・メーカーであり、プライス・テイカーではありません。したがって、不適切な記述です。

以上より、bとcが適切な記述ですので選択肢ウが正解となります。

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経済学・経済政策
5-4 「不完全市場と市場の失敗」◆寡占市場

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