グローバル化の進展には、資本移動と為替レート制度が重要である。
ここでは、マンデル=フレミング・モデルの完全資本移動かつ小国のケースを考える。
解答:イ
マンデル=フレミング・モデルに関する問題です。やや、難易度が高い問題になっています。
完全資本移動、変動為替レート制下における財政拡大政策は、マンデル=フレミング・モデルによると、無効です。
これは、財政拡大政策(拡張的財政政策)によって生じた国内利子率上昇が、為替市場で円買いドル売りを生み、円高ドル安となるため、輸出が減少、輸入が増加してGDPが財政拡大政策(拡張的財政政策)の元の水準に戻ってしまうからです(クラウディング・アウト)。
一方、金融緩和政策は有効です。拡張的金融政策により、国内利子率が低下し、為替市場では円売りドル買いが生じます。
為替レートは円安ドル高となるため、輸出の増加、輸入が減少します。
その結果、GDPは増加します。
aですが、財政拡大政策(拡張的財政政策)は完全なクラウディング・アウトを引き起こすため所得は不変ですので適切な記述です。
bですが、金融緩和政策(拡張的金融政策)は自国通貨安による純輸出の増加を引き起こします。したがって、不適切な記述です。
cですが、財政拡大政策(拡張的財政政策)は、自国通貨高による純輸出の減少を引き起こします。したがって、不適切な記述です。
dですが、金融緩和政策(拡張的金融政策)は円安ドル高を招いて純輸出が増加し、GDPを押し上げます。したがって、適切な記述です。
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