中小企業診断士 企業経営理論
平成23年 第14問 - 人事評価

ピックアップ過去問解説

問題

 日本企業において人事制度の見直しが進んでいる。事業構造の再構築のなかで、成果に応じて格差のある報酬配分を行うことのメリットとデメリットを調和させた導入が重要になる。
 これに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 新たな報酬制度を運用する際には、評価者と被評価者が意見を交わしながら目標管理シートを作成するなど、意思疎通の機会を通して満足感を高めるとよい。

イ 職場には既存の文化や風土、価値観が存在するため、新たな評価制度を導入する際には、その基準や手続きに関して十分に理解されるための時間が必要である。

ウ 評価者が被評価者の全般的な要望や意見を説明しながら評価を行ったならば、評価結果が期待したほどでない場合でも、不公正感が抑えられ、動機づけを高めることができる。

エ 評価に対する納得感は、自己比較とともに他者相対比較の側面もあることから、適切に動機づけを高めるためには、社内の公正な評価制度に関する情報開示が必要となる。

オ 自らが投入した時間・努力量や成果と、それに対する評価・報酬とが見合うならば、人は公正感を感じる。


解答・解説

解答:ウ

企業経営理論から、成果に連動した報酬(成果主義による報酬)に関する問題です。

日本では従来、年功的な報酬が一般的でした。年功制では、基本的に勤続年数によって給与や職能資格が上昇するため、仕事の評価と処遇の間にはギャップが生じることもあります。

しかし、近年は従業員の高年齢化や競争環境の激化という要因があり、評価制度を見直す動きがあります。

その1つの方法が成果主義による報酬です。成果主義は、仕事の成果の評価を元に、給与や昇格などの処遇を決定する方法です。

成果主義にはメリットと共にデメリットがあり、導入の際には十分にデメリットに配慮しながら行う必要があります。

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢アでは、目標管理シートによる評価者と被評価者の意思疎通が挙げられています。

これは、従業員の創意工夫ややる気を引き出すことにつながります。また、目標設定や評価について、評価者と被評価者がコミュニケーションを取りながら仕事を進められます。

そのため、記述は適切です。

選択肢イは、組織文化や風土、価値観への配慮に関する内容です。

経営理念がトップが定めるものであるのに対し、組織文化は組織メンバーの間で時間をかけて形成されるものです。

新たな評価制度を導入する際には、この組織文化と制度が親和的かを十分に検討する必要があります。また、一般的に組織文化を変えるには長い時間がかかります。

そのため、記述は適切です。

選択肢ウでは、評価結果が期待したほどでない場合の内容が記述されています。

これは、自分自身が被評価者の場合を考えてみると分かりやすいと思います。

評価者(上司)が、被評価者(自分)の全般的な要望や意見を説明しながら評価を行ったとしても、その要望や意見が取り入れられていない場合は、動機づけは高まらないでしょう。

そのため、記述は不適切で、これが正解です。

選択肢エは、評価に対する納得感に関する内容です。

これも、自分自身が被評価者の場合で考えてみましょう。

「評価に対する納得感は、自己比較とともに他者相対比較の側面もある」という部分は頷けると思います。どうしても周りの同僚等との差が気になるものですね。

特に、「なぜ、あの人が評価されて、私が評価されないのか」という状況(評価基準が不明確)になるとモチベーションが下がります。

そのため、動機づけを高めるためには、社内で、公正な評価制度が整備され、その内容が周知されていることが必要です。そのため、記述は適切です。

選択肢オも、自分自身に置き換えると分かりやすくなります。

たくさん努力したため、評価された場合、あるいは、あまり努力しなかったため、評価されなかった場合は、人は納得感、公正感を感じやすい傾向にあります。

一方、たくさん努力したのに評価されない場合、あるいは、あまり努力しなかったのに評価されてしまった場合は、逆に納得感、公正感は得られにくくなります。

そのため、記述は適切です。

今日の問題は、成果主義の評価・報酬に関する基本問題でした。


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