企業経営理論 平成22年 第25問 - チャネル戦略

ピックアップ過去問解説

問題

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町工場の社長Y氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受けるようになった。昨今の健康ブームも相まって、自転車通勤に切り替えたり、週末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加していることもあり、Y氏はこの機会に自社で手作りする自転車を全国市場で販売することを決心した。

その販売経路政策として、最も不適切なものはどれか。ちなみにY氏の町工場が生産する自転車の価格帯は、12万円から20万円程度であり、テレビ報道を機に商標名の認知度も高まってきている。

ア 大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入していく。

イ 各々の地域市場において有力な自動車ディーラーの営業担当者を介した販売を進めていく。

ウ 自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。

エ 全国市場でのテスト販売を兼ねて、まずは有力なインターネット・ショッピング・モールに出店し、売上の動向や収益性の判断を、相応の時間をかけて行う。

オ 大都市圏のみに数店舗を構えるライフスタイル型の専門店小売企業に取引先を限定し、高性能・高級ブランド自転車として販売していく。


解答・解説

解答:ウ

マーケティング論からチャネル政策に関する問題です。

最近多いショートケース(短い事例)の出題形式となっています。チャネル政策の基本的な知識があれば、マーケティング戦略から順番に考えることで正解できます。

最初に、チャネル政策の基本を簡単に復習しておきましょう。

チャネル政策を、チャネルの幅により分類すると3つの種類があります。

開放的チャネル政策は、メーカーが取引する流通業者を限定せずに、幅広く製品を流通させる方法です。日用雑貨などの最寄品によく見られる政策です。

メリットは、幅広く製品を流通させることで、たくさんの製品を販売できることです。

デメリットは、メーカーがチャネルをコントロールすることが難しいことです。

選択的チャネル政策は、メーカーが取引する流通業者を、一定の基準によって選択して、業者の数を絞り込む方法で、化粧品などの買回品で良く見られます。

メリットは、流通業者を絞り込むことで、販売の努力が集中できることと、得意先の管理がしやすくなることです。

デメリットは、次の排他的チャネル政策に比べると、流通業者の販売やプロモーションへの協力が不十分な場合があることです。

排他的チャネル政策は、製品の流通を制限し、専売店のみに販売権を付与するものです。例えば、自動車では、メーカーの系列のディーラーを介して販売されます。

メリットは、自社のブランドを高めるのに向いていることです。

デメリットは、チャネルを極端に絞り込むため、消費者の認知度が低下し、売上が低下する可能性があることです。

ここまでを念頭に、問題を見ていきましょう。

問題文では、マウンテンバイクを製造する町工場が、どういったチャネル政策を取るのが良いかが問われています。不適切な選択肢を選ぶタイプの問題ですので注意しましょう。

どのチャネル政策を取るかは、全体のマーケティング戦略に依存します。

この町工場で扱っているのは、高額な手作りの折りたたみ式マウンテンバイクです。そのため、幅広い層ではなく、こだわりの自転車が欲しいという、かなり絞り込んだセグメントをターゲットとしていることが分かります。

これにより、この町工場では、(差別化)集中戦略、集中型マーケティングを志向していると考えられます。こだわりの自転車が欲しいというターゲット顧客に絞り込み、限られた経営資源を投入して差別化していきます。

そうすると、チャネル戦略も、こだわりの自転車が欲しいというターゲット顧客に合ったチャネルを選択する必要があります。そのため、チャネルの幅をある程度絞り込んで行く方が適切と考えられます。

選択肢を見るときには、チャネルを「絞り込む」かどうかを見ていけば、簡単に正解できます。

では選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、「大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入」するという事ですが、適切な小売店に納入するのは、チャネルを適切に絞り込むため良いと考えられます。

また、大手自転車メーカーと提携する事が可能あれば販売力が高まります。そのため、内容は適切です。

選択肢イは、「有力な自動車ディーラー」を介した販売チャネルです。自動車ディーラーは、特殊なチャネルですが、こだわりの自転車が欲しいというターゲットに販売できる可能性はあります。

また、この方法も絞り込まれたチャネルとなっています。そのため、内容は適切です。

選択肢ウは、「開放型チャネル戦略」を採用する方法です。

これは、志向しているターゲットや戦略と合わないため、不適切です。

よってこれが正解となります。

選択肢エは、インターネット・ショッピング・モールを使ったテスト販売です。

この方法では、直販というチャネルをテストすることができます。現在では、インターネットを使った直販は専門的な商品でも行われるようになってきています。直販では、顧客の購買行動などのデータが取りやすいというメリットもあります。

そのため、内容は適切です。

選択肢オは、ライフスタイル型の専門店小売企業にチャネルを限定する政策です。これは本商品に向いた売り方であり、適切です。

今日の問題は、全体のマーケティング戦略を考えてから、チャネル戦略を考えることがポイントでした。


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