企業が長期に成長・発展していくためには、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替えて行っていく必要がある。このことに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 業績評価基準を成果主義型から過程重視型にシフトすることを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。
イ 計画策定部門と執行部門を明確に区分し、適切なコミュニケーションを確保する組織を構築することで、シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える可能性が高くなる。
ウ 執行部門により多くの権限を委譲することを進めると、シングルループ学習を促進し、ダブルループ学習を阻害する可能性が高くなる。
エ 職務を細分化し、過程別専門化を進めていくことが、シングルループ学習を阻害し、ダブルループ学習を促進する可能性を高める。
オ 専門化された各部門の責任・権限を明確化することを通じて、シングルループ学習を抑え、ダブルループ学習を促進する可能性が高くなる。
解答:イ
シングルループ学習とは、低次学習とも呼ばれ、既存の枠組みのなかで行う学習です。組織がゆっくり進化している時に必要なのは低次学習です。
選択肢アですが、「過程重視型」とは従来型の業績評価方法であり、そのような評価基準のもとでは、既存の枠組みの中で行われるシングルループ学習が促進されます。よって、記述は不適切です。
さらに、適切なコミュニケーションを行うことで、それぞれの学習成果を伝達でき、「シングルループ学習とダブルループ学習を適切に切り替える」ことも可能になります。よって、記述は適切なため、これが正解です。
選択肢エですが、「職務を細分化し、過程別専門化を進めていく」と、それぞれの組織が別々に組織学習を進めていくことになり、シングルループ学習へと陥っていきます。よって、記述は不適切です。
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