コロナ禍の影響もあり、テレワークが一般化してきた。テレワークを行うには、 社内で行っていた作業環境をリモートで実現する必要がある。総務省は「テレワークセキュリティガイドライン第 5 版」を発表し、その中で、テレワークの方式を分類している。 この分類に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 「VPN」方式とは、テレワーク端末からVDI上のデスクトップ環境に接続を行い、そのデスクトップ環境を遠隔操作して業務を行う方法である。
イ 「仮想デスクトップ」方式とは、テレワーク端末からオフィスネットワークに対 してVPN接続を行い、その VPN を介してオフィスのサーバ等に接続し業務を行う方法である。
ウ 「セキュアコンテナ」方式とは、テレワーク端末にファイアウォールで保護された仮想的なWeb 環境を設け、その環境内でアプリケーションを動かし業務を行う方法である。
エ 「セキュアブラウザ」方式とは、テレワーク端末から Tor ブラウザと呼ばれる特殊なインターネットブラウザを利用し、オフィスのシステム等にアクセスし業務を行う方法である。
オ 「リモートデスクトップ」方式とは、テレワーク端末からオフィスに設置された端末(PC など)のデスクトップ環境に接続し、そのデスクトップ環境を遠隔操作して業務を行う方法である。
解答:オ
本問では、総務省が公表している「テレワークセキュリティガイドライン」について出題されています。
テレワークセキュリティガイドラインに記載されているテレワーク方式について問われています。テレワークセキュリティガイドラインを知らなくても、解答にあたって選択肢の絞り込みはできる問題でしょう。
テレワークセキュリティガイドラインでは、基本的なテレワーク方式として次の7種類に整理しています。
1.VPN方式
テレワーク端末からオフィスネットワークに対してVPN接続を行い、そのVPNを介してオフィスのサーバ等に接続し業務を行う方法
2.リモートデスクトップ方式
テレワーク端末からオフィスに設置された端末(PC等)のデスクトップ環境に接続を行い、そのデスクトップ環境を遠隔操作し業務を行う方法
3.仮想デスクトップ(VDI)方式
テレワーク端末から仮想デスクトップ基盤上のデスクトップ環境に接続を行い、そのデスクトップ環境を遠隔操作し業務を行う方法
4.セキュアコンテナ方式
テレワーク端末にローカル環境とは独立したセキュアコンテナという仮想的な環境を設け、その環境内でアプリケーションを動かし業務を行う方法
5.セキュアブラウザ方式
テレワーク端末からセキュアブラウザと呼ばれる特殊なインターネットブラウザを利用し、オフィスのシステム等にアクセスし業務を行う方法
6.クラウドサービス方式
オフィスネットワークに接続せず、テレワーク端末からインターネット上のクラウドサービスに直接接続し業務を行う方法
7.スタンドアロン方式
オフィスネットワークには接続せず、あらかじめテレワーク端末や外部記録媒体に必要なデータを保存しておき、その保存データを使い業務を行う方法
それでは、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、仮想デスクトップ方式に関する記述です。よって、不適切です。
選択肢イは、VPN方式に関する記述です。よって、不適切です。
選択肢ウについて、セキュアコンテナ方式では、テレワーク端末にローカル環境とは独立したセキュアコンテナという仮想的な環境を設けます。ファイアウォールで保護された仮想的なWeb環境を設けるものではありません。よって、不適切です。
選択肢エについて、セキュアブラウザ方式では、テレワーク端末からセキュアブラウザと呼ばれる特殊なインターネットブラウザを利用します。Torブラウザは、接続経路を匿名化するTorを組み込んだオープンソースのブラウザです。Torブラウザはセキュアブラウザの1つに挙げられることがありますが、セキュアブラウザ方式は、Torブラウザを利用することに限ったものではありません。よって、不適切です。
選択肢オは、リモートデスクトップに関する記述です。よって、適切であり、これが正解です。
テレワークセキュリティガイドラインに記載されているテレワーク方式については理解しておきましょう。
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