労働基準法 - 中小企業診断士 企業経営理論 令和3年 第24問

ピックアップ過去問解説

問題

 労働基準法の定めに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者は、事業場ごとに労働者名簿と賃金台帳を調製しなければならず、また、労働者名簿及び賃金台帳など労働関係に関する重要な書類は10年以上保存しておかなければならない。

イ 労働基準法には、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的な取り扱いを禁止する規定はない。

ウ 労働基準法の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主は処罰されない。

エ 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。


解答・解説

解答:エ

 労働基準法に関する基本的な出題です。条文を知らなくても、一般常識で正解できる問題です。

労働基準法は、労働者の保護を目的にして制定された法律です。労働基準法では、労働契約や賃金、労働時間、休日および年次有給休暇、安全及び衛生、災害補償、就業規則などの項目について、労働条件の最低基準を定めています。

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは不適切な記述です。労働者名簿と賃金台帳を事業場ごとに調製しなければならない点は正しい記述です(労働基準法第107条、第108条)。但し、労働関係に関する重要書類の保存期間は、5年と定められています(同法第109条)。

選択肢イは不適切な記述です。男女同一賃金の原則として、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならないと定められています(労働基準法第4条)。

選択肢ウは不適切な記述です。労働基準法の違反行為をした者が、事業主のために行った代理人や使用人、その他の従業者である場合、事業主に対しても罰金刑が科されます(労働基準法第121条)。

選択肢エは適切な記述です。労働条件の原則として、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない、と定められています(労働基準法第1条)。

労働基準法は頻出テーマですので、基本的な内容はしっかり覚えておきましょう。


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 1-8 労働関連法規 労働基準法

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