ア 感覚や好みに基づいて選択される場合と異なり、専門的知識が必要な製品やサービスに関しては、消費者は属性や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視する。
イ 自己アイデンティティを示すため、消費者は拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向がある。この傾向は、他者から見られている状況において行う選択よりも、見られていない状況において行う選択で顕著に強くなる。
ウ 自己概念において社会的アイデンティティが顕著になっている場合、自分が所属している内集団で共有される典型的な特徴を支持するようになる一方、自分が所属していない外集団すべてに対して無関心になる。
エ 自分に影響を与えようとする意図をもった他者が存在する場合、消費者の行動はその他者から強く影響を受ける一方で、単にその場にいるだけの他者からは、影響を受けることはない。
オ 自分に対する他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を形成していこうとする欲求は自己高揚と呼ばれる。自己高揚のレベルが高い消費者は、自分の所属集団よりも、願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向がある。
解答:オ
消費と社会的アイデンティティに関する問題です。やや難易度が高い問題です。
では、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アですが、専門的知識が必要な製品・サービスに関しては専門的知識を有しているものの意見やアドバイスを重視するので不適切な記述です。
選択肢イですが、拒否集団をイメージさせるブランドを避ける傾向は他者から見られていない状況においての選択よりも、見られている状況において顕著に強くなります。したがって不適切な記述です。
選択肢ウですが自己概念において社会的アイデンティティが顕著になっている場合であっても自分が所属している外集団のすべてに対し、無関心となるわけではなく、競争的、差別的、批判的になることがあります。したがって、不適切な記述です。
選択肢エの記述ですが、自分に影響を与えようとする意志を持った他者が存在する場合、必ずしもその他者から強い影響を受けるとは限りません。一方で、単にその場にいるだけの他者から影響を受けることはあります。たとえば、資格取得のために学習している同僚から影響を受けて資格取得の勉強をするといった場合です。したがって、不適切な記述です。
選択肢オの記述ですが、自己高揚とは、自己に対する他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を形成しようとする欲求です。自己高揚の高い消費者は自己の所属集団よりも、自らが所属したいと思う願望集団で使用されるブランドとの結び付けを強める傾向があります。したがって、適切な記述です。
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