ア O2O 戦略は、デジタル時代の消費者がオンラインとオフラインを行き来し、認知・検討と購買が分離する傾向があるという問題への企業による対応策の1つである。
イ クラウドソーシングにより製品開発を行おうとする企業が、そのために開設するネットコミュニティにおいては、参加者同士のコミュニケーションが活発に行われなければ、製品開発は成功しない。
ウ プラットフォーマーとは、異なる複数のユーザー・グループを結びつけ、交流させて価値を創出しつつ、同時にこれらのユーザー・グループに向けて自社の製品・サービスの販売も行う事業者を指す。
エ ユーザーにとってのプラットフォームの価値は、ユーザー間のネットワーク効果によって作り出されるものであり、プラットフォーム自体によって作られるものではないから、プラットフォームを切り替えても特にスイッチングコストは発生しない。
オ レンタルでは製品の貸し手は自社で保有する製品を貸し出すが、シェアリング・サービスは製品を所有するユーザー間をマッチングするだけであり、シェアリング・サービスの事業者が製品を所有することはない。
解答:ア
デジタル・マーケティングに関する問題です。見慣れない用語が多く難易度がやや高い問題です。
では、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アですが、O2O戦略は「Online to Offline」の略です。消費者をネット上(オンライン)からネット外の実店舗(オフライン)に呼び込むものです。デジタル技術が進み、多くの消費者がオンラインで情報収集し認知・検討を行い、そのうえでオフライン(実店舗)で購買するようになったことが要因です。オンライン上の情報によって実店舗に効果的に誘導できるようにする重要度が増しています。具体的にはクーポンの提供等があります。したがって、適切な記述です。
選択肢イですが、クラウドソーシングでは、不特定多数の人々に対して、公募形式で資源の提供を求めて、コンテンツの創造、問題解決や研究開発を行います。企業がクラウドソーシングにより製品開発を行おうとする場合にはネットコミュニティを開設してそこに消費者が参加します。なお、コミュニケーションの主導権は企業側にあるため、参加者同士のコミュニケーションが活発に行われなければ製品開発が成功しないというわけではありません。したがって、不適切な記述です。
選択肢ウですが、プラットフォーマーは物やサービスの利用者と提供者をつなぐ場であるプラットフォームを提供する事業者です。したがって、異なる複数のユーザー・グループを結び付け、交流させて価値を創造する点は正しいのですが、プラットフォーマーが自らプラットフォーム上でビジネスを行うことはほとんどないことから不適切な記述です。
選択肢エですが、プラットフォームの価値は、ユーザー間のネットワーク効果によって作り出されるものであり、プラットフォーム自体で作り出されるものではないことは正しいのですが、ネットワーク効果が重要であるため、スイッチングコストが発生します。したがって不適切な記述です。
選択肢オですが、現在ではシェアリング・サービス事業者自身が製品を保有している消費者にその製品を使用したい消費者とのマッチングをするだけでなく、自社で保有する製品を貸し出すことの両方を行っている例もあります。したがって、不適切な記述です。
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