ア 管理的意思決定とは、最大の成果を引き出すための経営資源の組織化に関わる意思決定である。
イ 企業の多角化戦略は、管理的意思決定における主要な決定事項の 1 つである。
ウ 戦略的意思決定の対象となる問題は、事業活動を通じて生じることから、トップ・マネジメントが意識的に関心を寄せなくても、自ら明らかになる。
エ 戦略的意思決定は、企業外部の問題よりも、むしろ企業内部の問題と主に関わっている。
オ 戦略的意思決定は、企業における資源配分を中心としており、固定資産や機械設備など企業内部の資産に対する投資の意思決定と同じである。
解答:ア
ここで3つの階層について確認しておきましょう。
企業の合併等の前例が少なく、ルーティン化されていない意思決定は主にトップ・マネジメントが行う意思決定で、戦略的意思決定といいます。
トップ・マネジメントの戦略的意思決定に対し、ミドル・マネジメントが戦略実現のために行う組織編制、目標設定や実行の指揮命令を行う戦術的意思決定を管理的意思決定といいます。
ロワー・マネジメントによる意思決定でルーティン化した業務に関する意思決定を業務的意思決定といいます。
では、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アですが、組織編制をし、目標設定と実行の指揮命令を行うのは、管理的意思決定となりますので、適切な記述です。
選択肢イですが、多角化戦略は企業全体にかかわるM&Aを伴うこともある戦略的意思決定です。したがって、不適切な記述です。
選択肢ウですが、戦略的意思決定は、ミドル・マネジメントやロワー・マネジメントによる事業活動にかかわる意思決定を超えた全社戦略に関するものです。また、戦略的意思決定の成果についてトップ・マネジメントが意識的に関心を寄せ、コミュニケーションの場を設定するなどしなければ適切な情報は伝達されません。したがって、不適切な記述です。
選択肢エですが、戦略的意思決定は企業外部の問題とかかわっています。管理的意思決定、業務的意思決定となるにつれ、企業内部の問題とかかわってきます。したがって、不適切な記述です。
選択肢オの記述ですが、固定資産や機械設備などの企業内部の投資意思決定は、業務的意思決定ほどルーティンではなく、また戦略的意思決定ほどハイリスク・ハイリターンでないことから、管理的意思決定となります。したがって、不適切な記述です。
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