中小企業診断士 企業経営理論
令和元年 第15問 - 部門間コンフリクト

ピックアップ過去問解説

問題

 コンフリクトは、意思決定の標準メカニズムの機能不全を意味する。組織における部門間コンフリクトの原因、それへの対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 組織内のスラックが豊富に存在すると、部門間の目標の独立性が減少し、部門間コンフリクトが発生しやすくなる。

イ 組織内の部門間コンフリクトは、共同意思決定の必要性が高ければ高いほど、また予算など限られた資源への依存度が大きければ大きいほど、発生する可能性が高まる。

ウ 命令の一元性が確保されていると、部門間の目標や知覚の分化が進むため、部門間コンフリクトが起きる可能性は低下する。

エ 目標が共有されている部門間でコンフリクトが生じた場合、その基準を満たす解決策を探索するために、政治的工作やバーゲニングが使用される可能性が高くなる。



解答・解説

解答:イ

 本問では、コンフリクトについて問われています。選択肢に抽象的な表現が使われていますが、具体的な例を当てはめれば解答できるため、難易度は低いでしょう。

まず、コンフリクトについて学習しておきましょう。

 コンフリクトは様々な組織や個人の間で発生します。組織が様々な考えや価値観を持った個人の集団である以上、コンフリクトは避けられません。コンフリクトは、様々な要因により発生します。1つは限られた資源の配分について意見が食い違う場合です。これは、例えば、経費の予算や人員の配置で部門間の合意が得られない場合です。次に、お互いに自立やパワーを求めた場合です。これは、ある部門が他の部門に支援を要請したが合意に至らないような場合です。最後に、組織の中で共通の目標が合意できず、協力が得られない場合です。

 組織を活性化したり、変革をするためには、コンフリクトをうまく利用することが重要になってきました。つまりコンフリクトが無い組織は停滞しがちなため、様々なアイデアや意見を出し合ってあえてコンフリクトを起こし、創造的にコンフリクトを解決していくことで変革を実現するという考え方です。

 そのためには、コンフリクトを管理する技術、つまりコンフリクト・マネジメントが必要です。

 では、選択肢を見ていきましょう。

 選択肢アですが、組織内のスラックとは、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の余裕を意味します。組織内のスラックが多いと、いざというときに力を発揮する余裕があるという点で、各部門に組織内スラックがあると部門間の資源依存関係は減少します。つまり独立性が高まります。従って、目標達成ができない場合に他部門に対し責任を負わせるようなコンフリクトは起こりづらくなりますので、部門間コンフリクトは発生しにくくなります。従って、不適切な記述です。

 選択肢イですが、組織内の部門間コンフリクトは、共同意思決定の必要性が高ければ高いほど、部門間の意見の違いが際立つ機会が多くなります。また、予算など限られた資源への依存度が大きいほど、他部門との調整を困難にするため、コンフリクトの発生可能性は高まります。従って、適切な記述です。

 選択肢ウですが、命令の一元性の確保は部門間の目標や知覚の分化は進みづらくなります。なぜなら、命令の一元性により、同じリーダーとのやり取りが頻繁に行われるため、リーダーに分かりやすい表現が求められるからです。一方、命令の一元性が確保されても、部門間コンフリクトは生じるため、双方の因果関係はありません。従って不適切な選択肢です。

 なお、コンフリクトの発生要因は、資源の希少性、自律性の確保、意図関心の分岐にあります。資源の希少性とは、組織が活用できる資源が不足している場合にコンフリクトは発生する、とするものです。自律性の確保は、互いが自立を求めて、他社を統制し、自らの管轄下に置きたいと意図した場合に生じるコンフリクトです。意図関心の分岐とは組織内の作業集団で、共通の目標を確立するに至らず、協力関係のコンセンサスが成り立たない場合にコンフリクトが発生する、とするものです。

 選択肢エにおいて、バーゲニング(取引・交渉)が解決策の探索に利用される可能性が高くなるという点は適切です。しかし、政治的工作は失敗するとコンフリクトの深刻さを増しますし、成功しても、部門内のメンバーにとって納得感が得られないこともあり、表面的な和解がされるにとどまります。従って、記述は不適切です。


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