データファイル 中小企業診断士 経営情報システム 平成20年 第7問

ピックアップ過去問解説

問題

コンピュータのアプリケーションソフトやプログラム言語におけるデータファイルの取り扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア CSVファイルはデータとデータ間をカンマで区切った固定長ファイルである。

イ 固定長ファイルにはデータとデータの区切り記号は必要ない。

ウ ハードディスクに記録した可変長ファイルでは、インデックス(索引)ファイルを用いてもデータの検索を高速化することはできない。

エ ランダムアクセスファイルをハードディスクに記録した場合、常にデータの先頭から順番に読み込む必要がある。


解答・解説

解答:イ

経営情報システムからデータファイルに関する出題です。

本問では、様々なデータファイルの特徴について問われていますが、基本的なデータファイルの知識があれば正解できる問題です。

ファイルは、コンピュータ上で、データを記録しておく入れ物の事です。

コンピューターで扱うデータには様々なものがあり、データは目的に応じたファイル形式で保存されています。そのため、ファイル形式には多種多様なものがあります。

では、選択肢を順番に見ていきましょう。

選択肢アは、CSVファイルに関する記述です。

CSVは「Comma Separated Value」、つまり「カンマ区切りの値」を略したものです。

このようにCSVファイルは「データとデータ間をカンマで区切った」ファイルである、というところまでは適切です。

但しCSVファイルは「固定長」ではなく「可変長」であるため、記述は不適切です。

例えば、住所録の場合、CSVファイルでは、

1,山田太郎,東京都,千代田区XXX,
2,鈴木正,神奈川県,相模原市YYYY,

というように、各データの長さが変わります。そのため可変長となります。

選択肢イは、固定長ファイルに関する記述です。

固定長ファイルでは、データの区切りは、長さによって指定されます。
そのため、CSVのような区切り記号は必要ありません。

よって、記述は適切で、選択肢イが正解です。

例えば、さきほどの住所録を固定長ファイルで表すと、

123456789012345678901234567890
1  山田太郎   東京都    千代田区XXX
2  鈴木正    神奈川県   相模原市YYYY

というように、各データの長さは(開始位置と終了位置も)揃えられることになります。(データの長さが足りない場合は空白で埋められます)

ここまでで正解を導くことができますが、参考として他の選択肢の内容を見ておきましょう。なお、以下は概要を理解して頂ければ十分です。

選択肢ウは、インデックスファイルに関する記述です。

インデックス(索引)ファイルは、その名前の通り、データを素早く見つける(アクセス)するために作成するものです。

例えば、先ほどの住所録で、「神奈川県」の人だけを検索したい場合、インデックスが無いと、住所録の先頭のレコード(行)から、最後のレコードまで1行ずつ全て見ることになります。そのため、時間がかかります。

ここで、都道府県を表す列にインデックスを作成した場合、都道府県毎の索引が作成され、本の索引と同じように、索引を見ただけで場所(レコード)を特定できるようになります。そのため、検索のスピードが向上します。

このインデックスには、通常、行の位置を表すIDやアドレスが格納されているため、可変長ファイルでも作成できます。

よって、記述は不適切です。

選択肢エは、ランダムアクセスファイルに関する記述です。

ランダムアクセスというのは、少し専門的な内容ですが、ファイルを読み取る方法に関する用語です。よく、別の読み取り方法である「シーケンシャルアクセス」と比べられます。

ランダムアクセスは、アクセスしたいデータの位置を直接読み取る方法です。

例えば、インデックスに書かれているアドレスを基に、ファイル中のデータの位置を特定し、ピンポイントで読み書きします。

シーケンシャルアクセスは、ファイルの先頭から順番にアクセスする方法です。インデックスが無いデータにアクセスするには、通常はシーケンシャルアクセスを行います。

記述の内容は、シーケンシャルアクセスの内容となっており、間違っています。よって、記述は不適切です。

今回は、可変長と固定長の違いを押さえておくのが重要な問題でした。


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