IoT(Internet of Things)、AI、RPA(Robotic Process Automation)などの新しい情報通信技術や考え方などが現れ、現場への適用が試みられつつある。
以下に示す情報化の取り組みについての記述の中で、RPA に関する事例として、最も適切なものはどれか。
ア ある回転寿司店では、皿に IC タグを取り付けて、レーンを流れている皿の売上状況を把握し、これらのデータを蓄積することで、より正確な需要を予測することが可能となり、レーンに流すネタや量をコントロールできるようになった。
イ ある食品メーカーでは、卸売企業から POS データの提供を受けていた。このため、卸売企業が設置したダウンロードのための Web サイトにアクセスして、条件を設定した上で POS データを収集する業務があった。これは定型的な業務であるが、かなりの時間を要していた。この作業を自動化するソフトウェアを導入することで所要時間を大幅に削減することができた。
ウ あるパン屋では、レジの横にパンを自動判別するスキャナーを設置し、顧客が精算する際に自動的に判別したデータをネットワークにアップし、店舗と離れた場所からでも販売状況をリアルタイムで把握できるシステムを導入した。
エ あるラーメン店では、人型をしたロボットを導入した。顧客が顔パスアプリに写真とニックネームを事前に登録しておくと、ロボットが常連客の顔を認識し、購入履歴や来店頻度に合わせてサービスを提供することが可能となった。
解答:イ
本問では、RPAについて出題されています。
IT系のニュースやWebサイトなどで話題になることも多く、RPAの概要を知っていた方には容易に解答できた問題です。
まず、RPAの内容について確認しておきましょう。
RPA:これまでパソコン上で人間が行っていた定型業務を、ソフトウェアロボットが代行する仕組みのこと。オフィスソフトやメールソフト、各種社内システム、インターネットブラウザなど様々なアプリケーションに対して、ソフトウェアロボットが予め決められたルールに則り、自動的に処理を行います。
それでは、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、回転寿司店でICタグを活用して需要予測を行い、レーンに流すネタや量をコントロールできるようになった事例が書かれています。本事例は、IoTの活用事例です。IoTとは、Internet of Thingsの略であり、「モノのインターネット」と訳されます。工場の生産機器、自動車、家電、衣類など、あらゆるモノをインターネットに接続し、様々な情報を蓄積・分析して活用することが目的であり、IoTによって、様々なモノが生み出すデータを可視化し、有益な情報を手に入れることができます。よって、選択肢の内容は不適切です。
選択肢イは、WebサイトにアクセスしてPOSデータを収集する業務を、自動化するソフトウェアを導入した事例が書かれています。本事例はRPAの事例であり、適切です。よって、選択肢イが正解となります。
選択肢ウは、パン屋でレジの横にスキャナーを設置し、顧客の精算の際に販売されたパンを自動判別し、ネットワークで遠隔地から販売状況をリアルタイムで把握できるシステムについて書かれてあります。本事例は、IoTの事例です。よって、選択肢の内容は不適切です。
選択肢エは、人型のロボットが常連客の顔を認識し、購入履歴や来店頻度に合わせてサービスを提供する事例について書かれています。本事例は、人型ロボットとAI技術を組み合わせた事例であり、RPAとは関係ありません。よって、不適切です。
本問で問われたPRAに限らず、毎年何問かは最新のITトレンド用語が出題されます。こうした最新のIT用語は、基本的な意味さえ押さえていれば正答できる問題も多く出題されます。普段からIT系のニュースやWebサイトのチェックを習慣にするようにしましょう。
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