ある中小企業では、出退勤システムの実装を進めている。バーコードリーダーを用いて社員証の社員番号を読み取り、出退勤をサーバ上で管理するためのプログラムが作成され、テストの段階に入った。
テストに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 結合テストは、出退勤システム全体の処理能力が十分であるか、高い負荷でも問題がないか、などの検証を行うために、実際に使う環境で行うテストである。
イ ブラックボックステストは、出退勤システムに修正を加えた場合に、想定外の影響が出ていないかを確認するためのテストである。
ウ ホワイトボックステストは、社員証の読み取りの際のチェックディジットの条件を網羅的にチェックするなど、内部構造を理解した上で行うテストである。
エ リグレッションテストは、社員証の読み取りやサーバ送信などの複数モジュール間のインタフェースが正常に機能しているかを確認するテストである。
解答:ウ
本問では、情報システムのテストについて問われています。
本問で出題されるテストの種類は、いずれも頻出な事項であるため、基本をおさえていれば比較的容易に正解できる問題です。
それでは、選択肢を見ていきましょう。
選択肢アですが、記述の内容は負荷テストに関するものです。結合テストとは複数のモジュールの組み合わせをテストするものです。情報システムは、複数のモジュールが組み合わされて構築されています。結合テストでは、モジュールを結合した状態でテストを行います。よって選択肢の内容は不適切です。
選択肢イですが、記述の内容は回帰テスト(リグレッションテスト)に関するものです。ブラックボックステストとは、プログラムの入力と出力に注目して、さまざまな入力に対して、プログラムの仕様どおりの出力が得られるかを確認するテストです。その際、プログラム内部の動作は問題にしないという特徴があります。以上より、選択肢の内容は不適切です。
選択肢ウですが、記述の内容はホワイトボックステストに関するものです。ホワイトボックステストは、プログラムの内部構造に注目して、プログラムが意図したとおりに動作しているかを確認するテストです。プログラムには、命令文や条件分岐などが含まれますが、それらについて漏れなく網羅的にテストを行います。よって選択肢の内容は適切であり、これが正解となります。
選択肢エですが、記述の内容は結合テストに関するものです。リグレッションテストとは、回帰テストとも呼ばれ、プログラムに修正を加える際に、その修正が、既存のプログラムに悪影響を及ぼさないかどうか、検証するためのテストのことです。よって、選択肢の内容は不適切です。
情報システムのテストは、毎年出題される頻出のテーマです。さらに、基本的な論点をおさえていれば正解できる設問が多く、得点源となりやすい分野です。きちんと復習して、とりこぼしのないようにしてください。→ 上記の講座が含まれる「1次2次合格コース」はこちらから
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