中小企業診断士 経営法務
平成30年 第10問 - 特許権と実用新案権2

ピックアップ過去問解説

問題

 特許と実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 権利侵害に基づく差止請求権を行使する場合、特許権は事前に相手方に警告を行わなければならないが、実用新案権はその際、さらに技術評価書を提示しなければならない。

イ 他人の特許権又は実用新案権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。

ウ 特許権の存続期間の起算日は出願日であるが、実用新案権の存続期間の起算日は登録日である。

エ 方法の発明は特許を受けることができるが、方法の考案は実用新案登録を受けることができない。


解答・解説

解答:エ

 

経営法務から、特許と実用新案の比較について問われています。実用新案法の基本知識があれば、選択肢エが正解であると判断できるでしょう。 特許法と実用新案法は制度が非常に良く似ています。出題が多いのは特許法ですので、特許法を理解し、実用新案法は特許法と異なる点を中心に整理をしておきましょう。以下に代表的なポイントを挙げておきます。


特許法

実用新案法

保護対象

発明

※物の発明/方法の発明/物を生産する方法の発明

考案

※物品の形状、構造、組合せ

出願書類

図面は任意

図面は必須

審査

方式審査

実体審査(審査請求が必要)

方式審査のみ(無審査主義)

登録異議申立て制度

あり

なし

無効審判制度

利害関係人のみ請求可

誰でも請求可

存続期間

出願日から20年

出願日から10年


以上を踏まえた上で、選択肢を順番に見ていきましょう。

選択肢アと選択肢イは前提となる事情が共通しています。その事情とは、特許権は公的に審査され権利としての質が認められたたものが公開となる一方、実用新案権は審査がされないため、公開された権利の質は玉石混淆であるという点です。そのため法は、事業を行う者は、自身の事業に関係ある特許権くらいは調べておくべきであるが、実用新案権まで調べさせるのは酷だと考えます。

選択肢アは、権利行使についての記述です。事業を行う者は特許権くらいは調べておくべきですので、警告なくいきなり差止請求されても仕方がありません。一方、実用新案権までは調べていないと思われますので、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示しての警告をさせるようにしています。したがって、選択肢アは不適切です。

選択肢イは、過失推定についての記述です。(不法行為による)損害賠償請求をする場合などには、権利者(被害者)が侵害者(加害者)の故意・過失を立証しなければなりません。しかし、特許権については事業を行う者に調査義務があると考えられるため、侵害したのであればこの義務を怠った過失があったと推定されます。一方、実用新案権では調査義務が課されていないと考えられるため、過失も推定されません。したがって、選択肢イは不適切です。

選択肢ウは、存続期間についての記述です。過去問でも繰り返し問われる基本知識です。特許権の存続期間は特許出願の日から20年、実用新案権は実用新案登録出願の日から10年です。したがって、選択肢ウは不適切です。

選択肢エは、保護対象となる発明・考案についての記述です。特許法の保護対象となる発明には、物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明の3つの類型があります。一方、実用新案法の保護対象となる考案は、物品の形状、構造又は組合せに係るものに限られ、方法の考案は対象となりません。したがって、選択肢エは適切です。

以上より、選択肢エが正解です。

実用新案権についてはあまり出題される論点が多くありません。過去問で出題された内容をおさらいしておくとよいでしょう。


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