経営法務 令和2年 第2問 - 株式会社の設立

ピックアップ過去問解説

問題

 株式会社の設立に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 株式会社を設立するに当たって、株式会社の定款に、発起人の氏名を記載又は記録する必要はない。

イ 発起設立における設立時取締役の選任は、定款に別段の定めがない場合、発起人の全員の同意により決定する。

ウ 発起人が複数いる場合、発起設立の場合には発起人の全員が設立時発行株式を引き受けなければならないが、募集設立の場合には、発起人の一人が設立時発行株式を引き受ければよく、発起人全員が設立時発行株式を引き受ける必要はない。

エ 発起人は、現物出資について裁判所選任の検査役の調査を経た場合、現物出資者又は当該財産の譲渡人である場合を除き、現物出資財産の不足額填補責任を負わない。

解答・解説

解答:エ

本問では、株式会社の設立においての発起人について問われています。発起人についてやや細かい論点も出題されています。

まずは、発起人について、簡単におさらいしておきましょう。
 

発起人は、会社設立の際の定款を作成し、定款に署名する人を指します。
株式会社の設立手続きでは、「発起人」が定款の作成などの会社設立の事務手続きを行います。
発起人は設立時の株式を1株以上引き受ける必要があります。株式会社を設立するには、1人以上の発起人が必要です。

また、株式会社の設立手続きには、「発起設立」「募集設立」という2通りの方法があります。
「発起設立」は、会社設立時に発行する全ての株式を、発起人が引き受ける方法です。
これに対して、「募集設立」は、発起人が一部の株式を引き受け、残りの株式は、別の株主を募集して株式を引き受けてもらう方法です。


ここまでを押さえた上で、順番に選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、定款への記載に関する記述です。
定款に必ず記載しなければならない事項として、「絶対的記載事項」が定められています。絶対的記載事項には、会社の目的、商号、本店の所在地、設立の際の出資額または出資の最低額、発起人の氏名と住所があります。定款に発起人の氏名を記載する必要がありますので、アの記述は不適切です。

選択肢イは、発起設立における取締役の選任に関する記述です。
発起設立の場合は、発起人が設立時の取締役などの機関を選任します。発起人が複数いる場合、設立取締役の選任は、発起人の過半数の一致により決定します。発起人全員の同意までは必要ありませんので、イの記述は不適切です。

選択肢ウは、設立時発行株式の引き受けに関する記述です。
発起設立の場合は、発起人が全ての株式を引き受けるため、発起人が全ての資本金を出資します。募集設立の場合は、発起人が一部の株式を引き受け、残りの分は募集株主が出資します。募集設立において、発起人が複数いる場合、全員がそれぞれ1株以上引き受ける必要があります。ウの記述では「発起人全員が設立時発行株式を引き受ける必要はない」としておりますので、不適切です。


選択肢エは、現物出資に関する記述です。
現物出資は、有価証券など金銭以外の手段で出資をすることです。
現物出資の対象となった財産が定款に記載された価額に比べて著しく不足するときは、原則として発起人および設立時取締役がその不足額を支払う義務(不足額填補責任)を負います。ただし、現物出資あたって、検査役の調査を受けた場合は、不足額填補責任を負う必要はないとされています。このとき、発起人は現物出資者又は当該財産の譲渡人である場合を除いて、という条件が設けられています(会社法第52条)。よって、エの記述は適切であり、これが正解です。

発起人の基本的な事項については、しっかり復習しておきましょう。


学習するには

経営法務

 6-5 「株式会社の設立と資金調達」◆発起人

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