特許権と実用新案権 - 中小企業診断士 経営法務 令和2年 第12問

ピックアップ過去問解説

問題

 実用新案法と特許法の比較に関する記述として、最も不適切なものはどれか

ただし、存続期間の延長は考慮しないものとする。

ア 権利侵害に基づく差止請求を行使する場合、実用新案権は特許庁による技術評価書を提示する必要があるが、特許権は不要である。

イ 実用新案権の存続期間は出願日から10年、特許権の存続期間は出願日から20年である。

ウ 実用新案出願は審査請求を行わなくとも新規性や進歩性などを判断する実体審査が開始されるが、特許出願は出願日から3年以内に審査請求を行わないと実体審査が開始されない。

エ 物品の形状に関する考案及び発明はそれぞれ実用新案法及び特許法で保護されるが、方法の考案は実用新案法では保護されず、方法の発明は特許法で保護される。


解答・解説

解答:ウ

 本問では、特許法と実用新案法の比較について問われています。基本的な内容を覚えていれば正解できる問題です。

順番に選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、技術評価書に関する記述です。

実用新案権では、権利の侵害が行われた場合、警告や差止請求、損害賠償などの手段で対抗するには、特許庁から「実用新案技術評価書」を発行してもらい、それから対抗措置を行う必要があります。実用新案技術評価書は、特許庁の審査官によって、考案または登録実用新案の技術的な評価が記載されるものです。

特許権では、権利侵害への対抗にあたって、このような制度はありません。よって、アの記述は適切です。

選択肢イは、権利の存続期間に関する記述です。

実用新案権の存続期間は、出願日から10年となっています。

特許権の存続期間は、登録によって権利が開始し、終了は出願日から20年となっています。

よって、イの記述は適切です。

選択肢ウは、審査に関する記述です。

実用新案の取得手続きは、無審査主義という特徴があります。実用新案では、方式審査だけが行われ、実体審査は行われません。方式審査を通れば実用新案を取得することができます。よって、ウの記述は不適切であり、これが正解です。

なお、特許の実体審査は、審査請求を提出することで開始されます。審査請求は、出願から3年以内に行う必要があります。審査請求が、出願から3年間無かった場合は、出願は取り下げになります。

選択肢エは、考案や発明に関する記述です。

実用新案における考案は「物品の形状、構造または組み合わせに係る」ものに限定されています。そのため、考案では、製造方法などの方法に関するものは含まれません。

特許法の発明には、物の発明と方法の発明があります。物の発明とは、機械や装置のように、具体的な物を伴う技術です。方法の発明とは、物の製造方法や、測定方法のように、物ではなく方法に関する技術です。

よって、エの記述は適切です。

特許権と実用新案権について、本問で問われている内容を含めてしっかり復習しておきましょう。

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経営法務

 6-1 特許権と実用新案権

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