社会保険労務士のQ&A

過去にも同じような質問がありましたが、回答を見ても理解できて…

スタディング受講者
質問日:2024年4月02日
過去にも同じような質問がありましたが、回答を見ても理解できていませんので
ご質問させていただきます。

老齢基礎年金の繰り下げの場合、併給可能か否かと言う視点で見ると
老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給可能であり
遺族厚生年金の受給券がある場合にも、繰り下げは可能ではないかと思うのですが、
これ条文がそう定めていると考えてしまって良いのでしょうか?
厚生年金の繰り下げの説明の併給可能だから
と言う説明と整合性が取れず悩んでおります。
ご回答よろしくお願いいたします

以下、過去のご回答を貼り付けます。よろしくお願いします。

回答いたします。

まずは質問文を引用します。
>老齢基礎年金の繰下げができる場合とできない場合について、老齢基礎年金と「併給が可能な年金」の受給権者は老齢基礎年金の繰下げ請求ができる、と理解しつつありました。

こちら「併給が可能な年金」の受給権者は老齢基礎年金の繰下げ請求ができるということではありません。

繰下げができる要件をもう一度確認してみましょう。

①66歳に達する前に老齢基礎年金の請求をしていないこと
②65歳に達したとき又は65歳に達した日から66歳に達した日までの間において、次の年金たる給付の受給権を有していないこと
ア. 国民年金による他の年金給付(付加年金を除く)
イ. 厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く)

ア.における「国民年金による他の年金給付」には、障害基礎年金、遺族基礎年金があります。
イ.における「厚生年金保険法による年金たる保険給付」には、障害厚生年金、遺族厚生年金があります。

つまり、65歳時点で障害基礎年金、遺族基礎年金、障害厚生年金、遺族厚生年金の受給権を有していると繰下げはできない、ということになります。

繰下げというのは基本的に、今すぐにもらえる年金をもらうのを我慢して遅らせて受給額を増やすというものです。

自分で積み立てたといえる老齢基礎年金や老齢厚生年金には受取りを我慢して遅らせて増やすという性質に当てはまりますが、遺族年金や障害年金は受け取るのを遅らせてでも受給額を増やすというものではありません。
我慢して受給額増やすのではなく、すぐにでも受け取ってください、という性質のものなので繰下げの対象とはなっていません。

ここが整理できると、ご質問の老齢基礎年金と併給が可能な遺族厚生年金の受給権者であっても、遺族厚生年金の受給権があるので繰下げできない、ということになります。

この範囲は早苗先生も講義の中で難しいとおっしゃられるくらい、難易度の高い部分になります。
国民年金の繰下げと併せて、下記リンクの厚生年金の繰下げもセットで学習をして、理解を深めていただければと思います。
添付ファイル


説明スライド.png
参照先テキスト・URL等
https://member.studying.jp/course/lesson/index/id/87195/
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回答

黒木 慎也 講師
公式
回答日:2024年4月05日
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