【公務員講座 寺本講師インタビュー/合格のポイント編】スタディング公務員講座


公務員試験特有のテクニックを覚えつつ、
判例や条文をしっかり理解しよう


公務員試験に出てくる法律科目は、初めて法律を勉強する人にとってはとっつきづらいもの。苦労されている受験生も多いのではないでしょうか。公務員試験の法律科目はどのように勉強を進めていけばよいのか、スタディング公務員講座で法律科目を担当されている寺本康之先生に伺いました。


――公務員試験における法律科目の特徴や出題傾向を教えてください。

ひと言でいうと、法律科目の問題の出方はとても素直です。判例や条文をそのまま張り付けたような問題が出るので、あまりひねりがありません。だから、判例や条文をしっかり読み込んで理解すれば合格点は取れると思います。 また、試験ごとにトレンドがありますね。たとえば、国家公務員の総合職の試験で出た問題の選択肢が翌年の国家公務員の一般職の問題に出たりします。同じ年に同じ問題・同じ選択肢が出ることもあるくらいです。そのため、直近3年分くらいの過去問をやっておけば十分対策ができます。複数の試験を併願する場合でも、試験ごとにばらばらに対策をするというよりは、同じような勉強の仕方をすれば足りるでしょう。あとは、法的理解よりも、判例の結論や着地点を覚えるほうに重きを置くほうがよいですね。公務員試験の法律科目はテクニックで解けるものが多いので、法的理解にこだわりすぎてしまうと、逆に合格が遠のくと思います。


――具体的にはどんなテクニックがあるのですか?

たとえば、ワーディングで引っかけてくる傾向がありますね。「〇〇に限り」「〇〇に関わらず」「一切~ない」「常に~である」「~した(する)ことはない」のような選択肢はすべて×です。 また、「○○または△△」という文言を「〇〇の場合に限り」「〇〇か否かに関わらず」といった文言に変えてくるのもあるんですが、それも全部×なんですね。作問者はそういう細かい引っかけのワーディングを使って問題を出してきます。こういうテクニックが公務員試験の法律科目にはいろいろあるので、それを過去問演習で学ぶといいですね。


――公務員試験における法律科目の難しいポイントはどこだと思いますか?

全体の範囲が広く、覚える量が多いことですね。また、用語を理解するのも難しいかなと思います。だから、法律科目を1回まわすだけでも3か月もかかるんですよ。その上、2回目以降は他の科目の勉強もあって、暗記する時間がとりづらくなります。そのあたりのバランスを取るのも難しいですね。


――科目別にいうと、難しいのはそれぞれどこになりますか?

民法は、最初の理解がしっかりしていないと回すのに時間がかかります。それで「民法がなかなか回せない」という声をよく聞きます。 憲法は、基本的人権と統治機構論に分かれているのですが、人権の部分は判例の中でもマニアックな抽象論の部分を空欄にしてくるので戸惑う受験生は多いです。統治機構論は満点が取れる可能性はありますが、基本的人権のほうは判旨をあらかじめしっかり読み込んでおかないと満点は難しいですね。また勉強すればするほど知恵がついてくるものの、その分選択肢の比較ができるようになり、かえって正答を選べなくなるのも憲法のよくあるパターンです。 行政法は、行政に関わる1900もの法律が束になったものなので、理論の矛盾が生じているところがあります。そのため、理詰めで考えるタイプの方や、イメージで捉えるタイプの方は、理解するのに苦労するでしょう。「何も疑わずにとにかく覚える」というタイプの方のほうができると思います。


――合格できる人と合格できない人の差はどういうところに現れる思いますか?

「どこで得点を取って、どこを落とすか」を計算できるかどうかにかかっていると思いますね。公務員試験の法律科目は7割くらい取れれば合格できる科目です。「ここはコスパが悪いから捨てる」「ここは難しいけれど出るから勉強する」とメリハリをつけて勉強する人が合格できる人だと思います。逆に言えば、そういう得点につながるための選別眼のようなものを持っていないと厳しいかもしれないですね。


――勉強のスケジュールはどう組み立てればよいでしょうか。

まず、はじめの2ヶ月は憲法を勉強します。しばらく憲法を勉強した後、憲法とかぶせながら民法も勉強を始めます。次に、さらに行政法もかぶせます。行政法までまわった段階で憲法と民法は2回ずつまわっているというイメージです。全体を1回まわすのに4~5ヶ月かかると思いますが、憲法は3回まわったらもう多少期間をあけても忘れなくなるので、民法と行政法を一生懸命まわしましょう。12ヶ月で最低3回ずつくらいまわせばよいですね。


――公務員試験は学生さんだけでなく、転職を考える社会人の方も受験されます。学業や仕事との両立しながら短期合格するコツは何でしょうか。

社会人も学生も、計画をしっかり立てて100%実行してもらうのが短期合格のコツです。そのためには、可処分時間を把握すること。学生さんであればゴールデンウイーク・夏休み・年末年始・春休みなどで可処分時間が増えるでしょう。社会人であればゴールデンウイーク・夏休み・年末年始くらいでしょうか。有給休暇もフル活用しないといけないですね。こういった可処分時間の増えるタイミングを把握して、そこにしっかり勉強時間を充てていけば、短期合格は可能だと思います。


――どのように勉強時間を確保すべきでしょうか。

社会人であれば、朝出勤前に勉強したり、通勤時間やお昼休みを使っている方もいますね。社会人の方は1日3時間、土日に8時~10時間ほど勉強時間を確保することを目標にしてもらっています。そうすると、トータルすると結構勉強時間を確保できるんです。 学生さんの場合は、「週30時間」のように週単位で勉強時間数だけ決めておけばいいと思うんですよ。なぜなら、学生さんは1日単位で予定を立てていても、予定通りにできないことが多いためです。たとえば「1日5時間勉強しよう」と思っていた日に2時間しかできなかったとなると、焦ってしまいますよね。週単位で勉強時間を決めておけば、1日2時間しか勉強できない日があっても、他の日でカバーできます。だから、週単位でのスケジューリングが重要かなと思います。


――先ほど公務員試験の勉強は長丁場になるというお話もありましたが、モチベーションの維持の仕方について教えてください。

休みは定期的に入れたほうがいいですね。社会人は「今日はこれ以上やったら明日に響くから」と勉強を打ち切る判断ができるのですが、学生さんは若いこともあって無理ができてしまうので、際限なく勉強を続けてしまうんですね。そしてある日手がピタッと止まってしまって、「なんだか身体が動かない……」という状態になるんです。だから、気持ちがのらなくても休みは入れたほうがいいですね。 あとはたまに爆発的に遊ぶことをしておいたほうがよいでしょう。たとえば、友達や恋人とディズニーやユニバーサルスタジオジャパンに行くとか。2泊3日くらいで旅行するのもおすすめです。とにかく場所や環境を変えたり、非日常なところに行く。そうすることで、生活にメリハリも生まれるのではないでしょうか。


――学習環境の整え方についてはいかがでしょうか?

まずは勉強を始めるにあたって、ご家族など周りの方々の理解を得ておくことですね。そこをきちんとしておかないと、後でもめてしまうので。あとは、やはり人間関係が重要です。公務員試験でなくてもいいので、目標を持って勉強している人と仲良くするといいですね。SNSで勉強アカウントを作って鼓舞しあっている方々もいますが、そういうのもモチベーション維持にはよいでしょう。


――試験当日にしておいたほうがいいことはありますか?

試験当日は、公共交通機関の乱れで遅刻しないよう、早め早めの行動を心掛けましょう。できれば試験開始時間の1時間前には到着して、暗記ものをするのがおすすめです。絶対出そうなポイントだけをまとめたダイジェスト版の資料をワード2枚分だけ作るなど、直前に覚えたいものを少しだけ作って持参して、暗記する作業をするといいですね。 試験会場で座っているだけだと緊張してしまうのですが、暗記をし始めるとアドレナリンが出て、周りが気にならなくなりますよ。


――最後に、公務員試験の受験生のみなさまにメッセージをお願いします。

何ごとにもタイミングがあるので、一番いい選択をしたときに始めるのがベストです。「どうしようかな」と悩んで立ち止まっている人と、悩みながらも「一歩踏み出してやってみようかな」と決意する人では、5年後10年後に歩む人生が大きく異なるでしょう。だから、後悔することのないよう、思い立ったらすぐ行動したほうがいいですね。 スタディングは無駄なく効率的に勉強できるように作られているので、スタディングを使って高速で勉強していただければ、夏や秋頃から始めても来年の合格を目指せると思います。がんばってください!

No Image 寺本 康之(てらもと やすゆき) プロフィール

売れない役者の経験を持ち、大学院在学中から講師の仕事をはじめた。以降、行政書士試験、公務員試験の分野で主に活動してきた。法律系科目が専門だが、行政系科目や小論文などの指導も得意としている。ベストセラー『寺本康之の小論文バイブル』(エクシア出版)の著者としても知られており、東進ハイスクールで大学受験向けの小論文講座を担当していたこともある。

現在は、全国大学生協主催の学内講座で活躍するとともに、2つの会社(映画制作会社、不動産関連会社)の社長を兼務している。映画制作会社ではLGBTQの映画監督飯塚花笑(自身の従妹)を代表に据え、主に社会問題を題材とした映画作りに励んでいる。ほか、不動産投資マニア、太陽光投資マニアの側面も有する。

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