公認会計士のQ&A
製造間接費の実際発生額に関して疑問が出てきたので質問させてく…
製造間接費の実際発生額に関して疑問が出てきたので質問させてください。
問題では、直接工の間接作業時間や手待時間について、予定賃率(3,500円)×実際時間で計算された金額が製造間接費の「実際発生額」として扱われています。
ただ、自分の中では「予定賃率で計算した金額はあくまで予定額であって、実際額ではないのでは?」と感じており、なぜ予定賃率で出した金額を製造間接費実際発生額として集計しているのかよく分かりませんでした。そこがわからないため問題4で製造間接費配賦差異を求める際に使う実際発生額が問題3で求めた製造間接費と違うのではないかと考えてしまいました。
・なぜ“予定”で出した金額が“実際発生額”になるのか?
このあたりの考え方を教えていただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
回答
学習Q&Aサービスをご利用いただきまして、ありがとうございます。
今回のご質問に関しまして、以下回答とさせていただきます。
【回答】
原価計算基準四(一)1において、「実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。」との定めがあります。
原価計算では、単価と数量のうち、後者に重点を置いて把握・管理しようと考えます。なぜなら、基本的には、単価については企業の外的要因で変動するためコントロールができないのに対して、数量については企業努力によって改善できる見込みがあるからです。
このような考え方に基づいて、原価計算基準においても上記のように規定されています。
したがって、ご質問頂いた労務費につきましても、単価面に予定賃率を使用していたとしても、数量面を実際時間で計算している限り、それは実際原価となります。
回答は以上です。
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