解答:2
1 誤り。
債権者が債権者代位権を行使するための要件の一つとして、債権者の債権の弁済期が到来していることがあります。ただし、保存行為を行う場合には弁済期が未到来でもよいこととされています(423条2項)。本肢の「未登記の権利についての登記」は、保存行為に該当するため、債権弁済期前に行使することができ、その場合、裁判所の許可を得る必要はないので、本肢は誤りです。
2 正しい。
債権者代位権の代位される債務者の権利は、一身専属権や差押えを禁じられた権利については、対象とすることができませんが、それ以外の債権や物権的請求権などの「請求権」や取消権や解除権などの「形成権」も代位行使することができます。
3 誤り。
債権者代位権や詐害行為取消権を行使する債権者は、債務者の代理人として権利を行使するのではなく、自己の名において債務者の権利を行使します。したがって、「代理権として行使することができる」とする本肢は誤りです。
4 誤り。
判例は、本肢のような特定物債権(特定物引渡請求権)も、窮極において損害賠償債権(金銭債権)に変じ得るものであり、金銭債権と同様なので、債権者は、債務者の詐害行為を取り消すことができるとしています(最大判昭36・7・19)。したがって、「Bは、AからCへの譲渡を詐害行為として取り消すことはできない」とする本肢は誤りです。
5 誤り。
詐害行為取消権の立証責任については、「債務者・転得者の悪意」は債権者に立証責任がありますが、「受益者の悪意」については、受益者に善意であったことの立証責任があります。