行政書士試験ピックアップ過去問解説
憲法-司法権の限界 平成27年第6問

問題

司法権の限界に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。


  1. 具体的な権利義務ないしは法律関係に関する紛争であっても、信仰対象の価値または教義に関する判断が前提問題となる場合には、法令の適用による解決には適さず、裁判所の審査は及ばない。
  2. 大学による単位授与行為(認定)は、純然たる大学内部の問題として大学の自律的判断にゆだねられるべきものであり、一般市民法秩序と直接の関係を有すると認めるにたる特段の事情がない限り、裁判所の審査は及ばない。
  3. 衆議院の解散は高度の政治性を伴う国家行為であって、その有効無効の判断は法的に不可能であるから、そもそも法律上の争訟の解決という司法権の埒外にあり、裁判所の審査は及ばない。
  4. 政党の結社としての自律性からすると、政党の党員に対する処分は原則として自律的運営にゆだねるべきであり、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題にとどまる限りは、裁判所の審査は及ばない。
  5. 地方議会議員の出席停止処分は、除名とは異なり議員の権利行使の一時的制約にすぎず、議会の内部規律の問題として自治的措置にゆだねるべきであるから、裁判所の審査は及ばない。

解答・解説

解答:3

1 妥当である。最高裁判所は、「訴訟が具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとっており、信仰の対象の価値ないし宗教上の教義に関する判断が訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものであり、紛争の核心となっている場合には、当該訴訟は、その実質において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであって、裁判所法3条にいう法律上の争訟にあたらない。」と判示しています(板まんだら事件。最判昭56・4・7)

2 妥当である。最高裁判所は、「一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているのであるから、単位授与(認定)行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情のない限り、純然たる大学内部の問題として大学の自主的、自律的な判断に委ねられるべきものであって、裁判所の司法審査の対象にはならない。」と判示しています(富山大学事件。最判昭52・3・15)。

3 妥当でない。最高裁判所は、「直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、法律上の争訟となり、有効無効の判断が法律上可能である場合であっても、裁判所の審査権の外にあり、」と判示しています(苫米地事件。最大判昭35・6・8)。本肢の「その有効無効の判断は法的に不可能であるから、そもそも法律上の争訟の解決という司法権の埒外にあり」とする記述は妥当ではありません。

4 妥当である。最高裁判所は、「政党が党員に対してした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばない。」と判示しています(共産党除名処分。最判昭63・12・20)。

5 妥当である。最高裁判所は、「自律的な法規範をもつ社会ないしは団体にあっては、当該規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ、必ずしも、裁判にまつを適当としないものがある。議員の出席停止のごとく議員の権利行使の一時的制限に過ぎない懲罰はまさにそれに該当する。」と判示しています(地方議会議員懲罰事件。最大判昭35・10・19)。


試験ワンポイント
司法権の限界に関する問題として、部分社会の法理統治行為自律権に属する問題などがありますが、判例知識は必須です。本問の判例は、すべて押さえておきましょう。


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